オフィシャルビールブランド「FOC」について - ミチクサ醸造所
こんにちは、代表の江藤彰洋です。FOC(フォク)をリリースして早くも数ヶ月ほどが経過致しました。現在、主に飲食店の皆様に取り扱って頂いておりますが、つい最近では酒屋さんでの小売り販売もスタートしております。
そんなFOC(フォク)というミチクサ醸造所のオフィシャルビールブランドですが、そもそもこのブランドはミチクサ醸造所にとって何なのか。その辺りのことを少しお話ししたいと思っています。
ミチクサにとって、FOC(フォク)とは何か
まず、このFOC(フォク)というビールブランドを語る上では、FOCが私たちにとってはどういった存在なのか。そんなお話をしなければいけないと思っています。その上で、欠かせないのは過去に書き綴った以下の文章です。
これは以前、急激な円安によって開業そのものが危ぶまれてしまった際に挑戦させて頂いたクラウドファンディング本文の抜粋です。このFOC(フォク)というビールブランドがまだこの世に生まれる前に、少しだけ心の内を語らせて頂いた内容になります。
この文章の冒頭でもお伝えしているように、私たちはあくまでもビールメーカーであり、私はビールの作り手です。ですので、兎にも角にも自分たちの想いの丈はまずはビールで語ることが大切なのだと、そう信じています。
しかし、「想いの丈」といっても無数にあります。自分が大切にしたいこと、暮らしの在り方、その他含めいくらでも出てきます。しかし、それらを一つ一つ語っても、誰にも届きません。響きません。
ぱっと思いつくようなものではなく、究極、私たちは何を大切にしたいのか。無数にある大切にしたいことを、削いで削いで削ぎ落とし続けた先にある、自分たちが本当に大切にしていきたいこと。これからもずっと変わらずに想い続けたいこと。それをビールで表現する。
要するに、この「FOC(フォク)」というビールブランドは、ミチクサ醸造所が何を大切にしたいのか。どこを向いて歩もうとしているのか。所謂、ビジョンや理念のようなものを言語化し、それらをビールという形で表現したものになります。
2018年から開業準備を進めてきましたが、ずっと物件探しや機材の選定に時間を取られていたわけではありません。最も費やしたのは、自分自身に問いかけて自分の中で答えを出す、そんな時間です。頭や心の言語化とでも言うのでしょうか。それらをビールの特徴に落とし込み、レシピを考え、世界観をイメージしてデザインを固める。
「ビールが好きだから」。もちろんそれがビール作りの原点ではありますが、それは全ての作り手にいえることです。その上で、何を表現するか。ものづくりを生業とする身としては、それがとても大切だと思っています。
脇役でありたい
以上が、ミチクサ醸造所にとって「FOC(フォク)」というビールブランドを立ち上げた背景です。
当たり前ですがビールを作ることは好きですし、ビールと向き合う時間は私にとってとても贅沢な時間です。ですが、私は自分が作りたいビールをただ作っていきたいのではなく、私たちのビールを飲んでくれている皆さんのその瞬間・その空間・その表情、そこに興味があります。
私たちはこれからも日々刻々と変化し、人間関係や、暮らし、考え方、色んなことが変わり続けていくと思います。変わりたくなくても変わらざるを得ないこともきっとあるでしょう。
ですが、変わり続ける中にも変わらないものが誰しもあるのではないか。そしてそれが、その人にとって本当に大切にしたいことなのでは。そんなことを思った時に、このFOC(フォク)というビールは、そんな皆さんの大切な何かにそっと寄り添っていけるような存在でありたいと思っています。
そうやって、形が変わり続ける皆さんの人生の中で、皆さんのその瞬間その瞬間をそっと彩りながら、いつしか皆さんの思い出の一部になれたら。それが「change form(形が変わる)」の意味を持つ、FOCというビールです。
ぜひ手に取って感じてみてください
最後まで読んでくださってありがとうございました。もちろん全てを語り伝えられたとは思いませんが、ぜひ今日この文章から感じた背景感も踏まえて、改めて私たちのビールブランドFOCを手に取ってみて頂きたいです。
どうしてこんな特徴なのか、デザインなのか。ビールの話だけではありません。どうしてこの飲食店・この酒屋さんは、数多あるクラフトビールの中でもFOCというビールを取り扱っているのか。そんな色んなことを感じ取ってみて頂きたいです。
最後にはなりますが、今回の話はFOC(フォク)という私たちのオフィシャルビールブランドの話に過ぎません。FOCに限らず、皆さんが普段手にしたり口にしたりする嗜好品には、私たちと同じようにそこに色んな想いを馳せた作り手がいます。今回の私の文章を最後まで読み進めてくださった皆さんには、FOCに限らず、ぜひ色んなお酒、色んな嗜好品の様々なバックグランドを感じ取ってみていただけると、ものづくりに励む一人の人間としてとても嬉しいです。
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