外資から外資への転職 その2
Facebook後はこれといったものもなかったので、特に自分からどこかに応募はしていなかった、それから1年経った。
そのあたりからLinkedinにリクルーターから「こんなポジションがあるのですがいかがですか?」というメッセージが入ってくるようになったが、ほとんどがリクルーティングの会社からで、私はリクルーティングの会社に登録もしたことも、使ったこともなかったので、すべて無視していた。たまに外資系企業の人事担当から「いかがですか?」とメッセージがくることもあった。
「お?」と私も反応したのはGAFAMのリクルーターからのメッセージだったからだ。話をしてみようと思い、返信をしたところすぐに連絡が来て、会社帰りにそのオフィスに寄った。
デザインが凝った高そうなスエットのパーカーを着たリクルーターが「どうもー!」と出迎えてくれた。「こういうノリなんだ」とちょっと驚いた。彼からまずは会社の説明、そしてそのポジションの説明され、ふんふんと聞いてると「で、どうですか?」と畳み掛けられ「そうですね・・面白そうだなと思いました」「では面接の予定設定しますね」
今のポジションは、私が自分でホームページの求人情報をみて、このポジションに応募をしてみよう!と書類を送り、連絡が来るかどうかドキドキしながら待っていたが、今回は「よかったらちょっとお話ししませんか」だったので、お話は応募じゃないし、そうね、聞いてみようかしら・・・からの
「応募しますか?」(今決めてください)という流れには、「うーん、そうですね・・・はい、応募します」とあれよあれよと乗せられた感じがした。
ちょっと飽きてきたな今の仕事と思いはじめて1年間、他のことをやってみたいなという思いを抱えていた私を、高級スエットパーカーは釣り上げたのだった。
マネージャーとのインタビューも不思議な感じだった。
私がしゃべったのは2割で8割はその人が「あなたはこういうことをしていたのですね?」「ではこういうことも理解していますね?」と私の履歴書を見ながら答え合わせをする感じだった。現職のポジションのインタビューは
私が8割で相手が2割なバランスだったので、不思議な印象を持った。
すぐに次のインタビューに進んでほしい、次はオーストラリアにいるマネージャーとのインタビューだが、彼がタイミングよく来日するので直接会った方がいいということで、半休をとってインタビューを受けることにした。そのオーストラリアのマネージャーのインタビューの数日前に知らない番号から着信があり、普段は知らない番号には出ない私だが、なんとなくでた方がいいと思ったので、電話に出たら例の8割のマネージャーからだった。
採用されるまで、連絡窓口は人事だよな・・・・と思いながらも、話に耳を向けると、次のインタビューの傾向と対策を教えてくれ、しっかり準備をして挑むようにという激励の電話だった。
オーストラリア人のマネージャーとのインタビューは、私がオーストラリアの英語に不慣れだったので、ちょっと緊張をしてしまったが、彼から
「こういう状況なのだが、君ならどう解決する?」という質問に対して「お任せください、私だったらこうやって解決できると思います」と自信満々な回答が口から出てきて、何かが乗り移ったんじゃないのだろうかと思うくらい、ビッグマウスを叩いたのだが、彼から「いいね」と言われた。
その後もう一名、シンガポールのマネージャーとインタビューをしトータルで3名で終了だった。
あちらもかなり採用を急いでいたということを知るのは、この会社は毎年9月に新製品が出るため、遅くても4月には入社してその9月のイベントに備えてほしかったようだった。
外資から外資への転職は、思いもがけずGAFAMだった。
日本企業でスキルAを付け、転職した外資でBのスキルもつけることができた。AとBを併せ持って、英語でもコミニケーション可能という人材がそもそも市場にあまりいないために、高級スエットパーカーの目に留まったのかもしれない。
この転職は、私が何か積極的に動いたとか、憧れていたあの会社に行くために勉強などしたかというと、Linkedinにある程度ちゃんと経歴を乗せていたのでリクルーターの目に留まったということだった。