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顔と名前が一致するって大事なこと

クビって滅多にないけれども、リストラはよくある話

外資系というとすぐにクビ切られるというイメージですが、解雇に関してはそれなりにプロセスがあるので、簡単に人をクビにするということは、そう滅多に起こりません、が、リストラはものすごく頻繁です。

組織の変更や改変にともない、部署ごとなくなる、とか、日本でやっていた機能を人件費が安いところに移すのでポジションがなくなるとか、それはそれは、もうしょっちゅうありました。

評価について

前回で評価に関して触れましたが、もう少し書いてみます。

日本にいる上司はグループマネージャー、その上にいるディレクターは本社におり、アメリカチーム、ヨーロッパチーム、あとはファイナンスやアナリスト、ツールなどのバックオフィスの人たちで私が所属していた部署は100名強という所帯でした。

グループマネージャーが自分のチームのメンバーの評価をディレクターに持っていき、ディレクターがアジアチームのメンバーの評価を持って、最終的にはディレクター達がカリブレーションをするのですが、カリブレーションとは職務ランク同士でああだこうだと、戦うわけです。例えばレベル54の人たちが10人、その中で上位、真ん中、下と順番が決まり、さらに上のレベル55に上げるのは誰かとやるわけです。評価はボーナスやもらえる株、昇給に関わるので非常に大事なイベントです。

リゾート会議 

ところで、話はちょっと変わりますが、我々年に1度アジアのどこかに集まって会議をするのが定例でした。
プーケット、マカオ、西安等々で会議を兼ねて、バカンスも楽しみましょうな会です。遊んでると周囲から思われたくもなかったし、お金持ちチーム!とやっかまれるのも、ちょっと嫌だなと思っていました。なので、私は嬉しい気持ちはあるけれど、周囲には「めんどくさい」を装ってました。

チームメートに阿佐ヶ谷姉妹のお姉さんに似た女性がいたのですが、彼女は
出張嫌いだったのと、また出張先で親睦を兼ねて長い長い食事会が大嫌いで、「嫌だ嫌だ」と毎回不満げでした。

阿佐ヶ谷姉妹からジョブ型上司に色々と直訴したことがあったようで、そこからアメリカのディレクターの耳に入り、ディレクターがあるとき「なぜ私がリゾート会議をするのか」ということを説明されました。

リゾート会議のときは、我々の部署のビッグボス、VPも奥様と参加されます。あとは普段色々とサポートしてもらっているファイナンス、アナリスト、リーガルなど何名かの人も参加して、会議を3日間ほど行い、あとはアクティビティや食事で親睦を深める5日間です。顔を覚えてもらうことがいかに大事か、評価のカリブレーションのときにビッグボスが「ああ、彼だね」とか「彼女だね」と名前と顔が一致することがどれだけ強みになるかと。リゾート会議はちょっと接待の要素もあるということなんですね。

ディレクターが私たちの評価を押し上げるために、そういった気遣いをしてビッグボスに我々のことを覚えてもらおうとしていたといこと、阿佐ヶ谷姉妹も「そうだったのか」と呟いていましたが、やっぱり出張や長い食事時間は苦痛だったようです。その後も嫌だ嫌だと言っていました。

コロナ禍の中転職をし、海外のチームメンバーと実際に会うことないまま、私は今回退職をしたのですが、やはり実際に会って食事しながら、その人となりや仕事以外の話しをすることで、お互いの理解が深まり仕事のコミニケーションがさらに円滑になる、それが当たり前じゃなくなった今は、あの時間は贅沢だったなと思うのです。 阿佐ヶ谷姉妹にも今どう思うか聞いてみたいところです。


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