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【中学初】Webライティング特別授業/中3国語

[2022年9月30日追記:小津中学校さん公式noteで、生徒さんの作品を見ていただくことができます!

ぜひ御覧ください!](ここまでが追記です)

8月25日、大阪は泉大津市立小津中学校さんでWebライティングの特別授業をさせていただきました。

■ この記事を書いている人
Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
大学ではWebライティングの講義を受け持っています。

プロフィール(2023年2月更新)

私の知る限り、Webライティングの授業は全国で私のものが唯一のようで、中学での授業は初です。

今回ご縁をいただいた小津中学校さんは、学校の公式noteを生徒さん主体で運営し、記事を作成されている中学校さん。

私が調べた限りでは、生徒さんが主体となって発信している中学校は小津中学校さんだけです。
今回、私の方からお声がけして、授業が実現しました。

小津中学校さんでのWebライティングの特別授業を紹介します。

0. 授業当日の流れ

国語科の授業の一環として、中学3年生4クラス(153人)を対象とした同時開催のためオンラインで授業しました。
各教室に先生がいてくださって、私が校長室からZoom配信。
作業中には数分ですが各教室に伺うことができました。

■授業当日の流れ
1) 校長室で先生方と意見交換
2) オンライン授業
3) 小津中学校の先生方による対面授業

順番にお話しましょう。

1. 校長室で先生方と意見交換

校長先生「自分の意見を表明することが、学力の向上につながっている」

拙著(一生使える Webライティングの教室)を寄贈。左筆者、右校長先生(写真:梅原淳氏)

授業の前には、校長室で拙著(一生使える Webライティングの教室)を寄贈させていただき、小津中学校さんの日頃の取り組みについてお聞きしました。

小津中学校さんのnoteでは、ルールメイキング(校則の見直しにより生徒が学校をつくっていく取り組み)をメインに発信されています。

主席の大達先生も同席してくださいました。

校長先生「校則を変える活動とか、子どもが積極的に学校行事をやるということが学力に直結しているとは一切思えないけれども、学力面にすごく影響が出ています。

子どもたちはいろんな活動を通して、友達と話し合ったり、人に納得してもらうにはどうしたらよいか考えたり、自分の意見を表明したりすることをいろんな場面でやっているんですよ。

だから、それが言語活動になっていたり、授業やテストなどの物事にも一生懸命取り組む気持ちになったり。

学力が数字で見たときにすごく上がっているんですよ、この1年半で」

「言語能力×ICT活用力」を育む

小津中学校さんパンフレット中面(写真:筆者)

言語能力×ICT活用力」と大きく書かれた小津中学校さんパンフレットの中面には、小学校と連携した取り組みが紹介されています。

noteで校則についての投稿文を配信するのは中2、相手の心に訴えるパブリックスピーキングの実施は中3国語(パンフレットより)。

いまはどこの中学でも生徒がプレゼンテーションをすることにより授業を主体的に進める形になっています。

片桐「小津中学校さんは、プレゼンテーションを他の学校より多くされているんですか?」

大達先生「他の学校より非常に多いと思います。
学外から依頼を受けて外部でプレゼンをすることも多いんですよ。
先日は市長室にも行ったのですが、生徒たちは物怖じせず発言していました。

(パンフレットを指して)『ICT機器(タブレットやPCなど)をほぼ毎日、意見交換や調べ学習に使っている』のところ、全国平均10%のところ小津中では73%と、ICT活用力も高いです」

今回、事前にオンライン打合せをした際に「Webライティングの型は論理的な話し方の型と同じです。noteの表現力向上はもちろん、高校入試の面接、授業でのプレゼンテーション等に使えます」とお伝えしていました。

「では3年生がよいかもしれない」とのことで、3年生全員が受講できるようスケジュールを調整してくださって授業が実現しました。
ありがとうございます!

2. オンライン授業

オンライン授業(写真:梅原淳氏)

授業は先月の高校の授業と同じ内容ですが、オンラインなのでかなり動きは違いました。

■授業概要(45分)
1) Webと紙の違い
2) Webの文章の型

1) Webと紙の違い

『一生使える Webライティングの教室』、マイナビ出版、2022年3月、P.010

Webと紙ってどんな違いがあるのでしょうか。

実際に各自タブレットを触って感じたWebと紙の違いをノートにたくさん書き出してもらいました。

私はこの作業時間は各教室をまわり、実際に間近で生徒さんの様子を見ていました。

教室でタブレットを使用し学習(写真:梅原淳氏)

ここで問題が発生。
生徒さんのタブレットの仕様が前回の高校のときと違ったので、生徒さんのタブレットではWeb画面を見ることができません。

急遽、私のノートPCの画面を共有して、黒板のスクリーンで確認してもらう方法に変わりました。

Webにはどんな特徴があるのでしょうか?

  • 紙は誰が見ても同じに見えるが、Webページは環境により見え方が大きく異なる。

  • Webページは上の方がよく読まれ、下の方は読まれない。

  • 紙のようにじっくり読まれず、Webページは飛ばし読みされ、適当に読まれる。

Webでは「読んでもらえない」ことを大前提として書く必要があります。

では、どう書いたらよいのでしょうか?

2) Webの文章の型

Webの文章は、結論、概要など主張したいことを先に述べる書き方をします。

先に結論を述べなければ、ユーザに「私が知りたいことはここにはない」と判断されてしまい、ユーザがすぐページから離れてしまいます。

そこで、代表的な2つのWebの文章の型、PREP法(プレップ法)SDS法(エスディーエス法)を紹介しました。

『一生使える Webライティングの教室』、マイナビ出版、2022年3月、P.131,133
  • PREP法 「面接、プレゼンテーション」等に使える説得力のある構成

  • SDS法 大勢の前で「スピーチ」するときに使える事実を伝える構成

詳細:【Web文章構成】PREP法とSDS法の使い分け/例文(メリット・デメリット)>

私の説明の後で、実際にWebの文章の例文を生徒さんに声に出して読んでもらいました。

言葉の学習ですから「話す」ことは大事です。

【最後に補足として】
Webでも起承転結など時系列の書き方をする場合があります。
最初から読む気がある人にストーリーを伝える場合など。
例:Web小説や物語、人物紹介記事。

「起承転結」はWebライティングに適した文章構成か?

3. 小津中学校の先生方による対面授業

授業後、校長室にて撤退作業(写真:梅原淳氏)

授業後は、校長室で撤退作業。

授業作り担当をされている国語科の玉野先生には準備段階から大変お世話になりました。
玉野先生、大達先生からお話をお聞きすることができました。

玉野先生「いまPREP法を使って書こうというのを各教室でやっているところです」

大達先生「プレゼンなんかも、あんまり構成を意識せずに作ってたりするので、今回の授業が生徒たちの今後に活きると思います

玉野先生「パブリックスピーキングに役立つと思います

小津中学校のみなさん、ありがとうございました!
校長先生、大達先生、玉野先生、3年生学年の先生方、お忙しいところ、準備、当日のご対応まで、本当にありがとうございました!

【後日談】
翌日には玉野先生からこんなお声をいただきました。

玉野先生「あの後の4限や、本日の2限に、Webライティング講座の学びを踏まえたアウトプットをロイロノート(学習支援アプリ)で行いましたが、先生から学んだことを意識して文章記述をしようとする姿が見られました

翌日まで授業をしていただけたとのことで、感激しました。
本当にありがとうございました!

4. まとめ

2022年8月25日、中学としては全国初となるWebライティングの特別授業を実施しました。

オンラインのため私はほとんど生徒さんの様子がわかりませんでした。
そこで、先生方からいただいた感想を最後に紹介します。

■授業についていただいた感想
「プレゼンの構成作りに活きる」
「パブリックスピーキングに役立つ」

授業後の文章作成の授業では「学んだことを意識して文章記述をしようとする姿が見られた」とのことでよかったです。

【補足】
Webライティングの特別授業を中学で実施した理由は、大学生の言葉「中学からWeb上で情報発信しはじめるから、大学では遅い」でした。

詳しい理由や高校の授業については「【高校初】Webライティングの特別授業をしてきました」にまとめています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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2022年3月、私が3年間大学で講義したレジュメをもとに、10代から大人まで幅広く学べるようにまとめた書籍を刊行しました。

\おかげさまで読売新聞に掲載されました!/
【新著】『一生使える Webライティングの教室』(2022/3/23発売)

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片桐光知子
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