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知らずに使ってたUDデジタル教科書体、点と点がつながった話
私がnoteをはじめた2020年5月。
アイキャッチ画像にタイトルの文字を入れたい!
どのフォントにしようかな?
フォントとは、明朝体、ゴシック体などの書体デザインのことです。
なんとなくこれが読みやすい!
そう思ったのがUDデジタル教科書体でした。
私が使い続けてきたフォント「UDデジタル教科書体」の開発者・高田裕美さんに、2024年5月にインタビューする機会をいただきました。
このインタビューは「成功者、これから成功する人」に「生き方、考え方」をお聞きするものです。
高田さんのフォントに対する強い想いを知り、私はこう感じました。
UDデジタル教科書体の存在を、多くの人に知らせたい。
しかし、フォントについては、公式サイトの情報が正しいし、詳しい。
高田さんの生き方についてはもう掲載させていただいた。
私に語れることってあるの?
今回、私の体験から語れることができたので、UDデジタル教科書についてご紹介します!
■ この記事を書いている人
・ Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
・ Webライティングの講義を担当しています。
1. 多くの人にとって読みやすいフォント
世の中には、学力が高くても試験の問題用紙の文字が読めないせいで、希望する学校に進学できない子がいます。
2007年の日本眼科医会の調査推計によると、国内には約164万人の視覚障害者がいる。
視覚障害者164万人の中には、ロービジョン(弱視)が145万人も存在する。
1. 読み書きに困難を抱える人から見た世界
文字が重なって見える。
文字が反転して見える。
景色がぼやけて見える。
明朝体が自分に突き刺さってくるようで恐怖を感じてしまう。
他にも、様々な見え方があります。
2. 読み書きに困難を抱える人にとって読みやすいフォント
読み書きがうまくできない子は「自分の頭が悪い、自分の努力が足りない」と自分を責めてしまうことがあるそうです。
教科書が読みにくいから、読むことに苦労し、学習に遅れが生じます。
そんな大変な思いをしている子に、フォントをUDデジタル教科書体に変えた教材を見せてみると「これなら読める!」と、表情がぱあっと明るくなったそう。
読み書きに困難を抱える人にとって読みやすいフォントであると、ユーザー評価に基づく読みやすさのエビデンスも取得されています。
3. 健常者にとっても読みやすいフォント
UDデジタル教科書体は明朝体とゴシック体の良いところ取りをしたフォントで、健常者にとっても読みやすいと言われています。
また、人は必ず老います。
老眼になるんです。
誰もが将来は見ることに困難を抱えるでしょう。
読みやすい、読み間違えにくいUDフォントの需要は極めて高いと感じます。
4. 補足:人により読みやすさは異なる
教科書に採用されているUDデジタル教科書体は、多くの人にとって読みやすいフォント。
しかし、すべての人にとって読みやすいフォントはなく、人により読みやすいフォントは異なると高田さんは強調されていました。
高田さん「フォントを自分で選べる社会になったら一番よいと思います」
2. 「あきらめなかった」からできたフォント
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通常フォントの開発には2、3年かかるそう。
UDデジタル教科書体の開発には8年かかっているそうです。
開発にあたっては多くの困難を乗り越える必要がありました。
それでも高田さんがあきらめなかった理由があります。
教科書が読めない子どもを知って、書体デザイナーとして役に立ちたいと思ったから。
高田さんは、字形の細部へのこだわりが強いです。
私がなんとなく読みやすいと思ったのは、読みやすさを徹底的に追求されたフォントだったから。
そんなUDデジタル教科書体が生まれるまでのノンフィクションがつづられた高田さんのご著書『奇跡のフォント』。
私は3回読みました。
下に取材させていただいたときの人物インタビュー記事も載せておきます。
※リンクをクリックすると、Instagramにリンクします。
結論を急がずに続けることが大切
3. UDデジタル教科書体を使ったIT関連書籍を出す
2月27日に発売する私の書籍には、中面の本文にUDデジタル教科書体を使用しています。
IT関連書籍のフォントはゴシック体が多いんです。
UDデジタル教科書体にできないだろうか?
そうすれば、読むことが困難な人にとってもストレスなく読んでいただきやすいんじゃないか。
そこで、ダメ元で編集者さんにお願いしました。
UDデジタル教科書体にするとよい理由(多くの人にとって読みやすい)とともに、広めたいと思っていることを伝えたのです。
最後に、もう一つ理由を伝えていました(以下メールを引用します)。
2012年に刊行されたWebライティングの世界的な名著にはアクセシビリティに配慮したフォントが使われています。
老眼の人にも見えるようにとアクセシビリティの研究もされていた方が書かれた書籍なので当然かもしれません。
日本でも一番見やすい日本語のWebライティングの本があったらいいと思います。
すると、あっさり承諾してもらえたんです。
本当にありがたいです!
4. まとめ
多くの人にとって読みやすいフォント「UDデジタル教科書体」をご紹介しました!
読み書きに困難を抱える人たちがいる。
障害の有無を問わず、多くの人にとって読みやすいフォントがある(UDデジタル教科書体)。
フォントについて詳しい情報を知りたい方は、公式サイト(株式会社モリサワ「UDデジタル教科書体」)をチェックしてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
【2025/2/27追記】新刊出ました!
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