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「誰かの隣」はどんなのだろう -〈カモクの森〉を描き終えて-

〈カモクの森〉孤独なケモノに友達ができるまでの話
を描き終えての、振り返りです。

全7話56ページでした。30ページ以上の創作漫画は昨年の「たぬきのタマ」以来の2作目になります。

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お話を描き終えて


去年の12月に第1話を投稿した時は、「不定期連載でいいか」くらいに考えていたんですが、ありがたいことに思った以上の反響を頂けたので思い直し、集中的に連載することにしました。なんとか無事に一つのお話にまとめることができましたが、いかがでしたか?
孤独なカモクの「誰かの隣というのはどんなのだろう」という問いを通して、私自身も、”人との関わりの中で大事にしたいこと”について改めて考えさせて貰えたように思います。読んで下さった方の隣に寄り添うような漫画になっていたら嬉しいです。

お話の大枠は始めから考えていたのですが、ひとつひとつのエピソードに落とし込んでいくと、だんだんとそれぞれのキャラクターの考えていることが明らかになっていき、カモクともアラシとも友達になっていくようで、大事に、丁寧に描いてやりたいなという気持ちで描いていました。

最初に書いた設計図…。
ネーム。


カモクという主人公について

カモクは孤独で寂しい境遇にあるけど、夜の森の静けさをひとりで楽しむ穏やかな一面とか、とっさに木になりきって会話を始めてしまう天然なところとかが可愛げがあるなと思ってます。

ちゃんと木の演技してる…

あと最終回で木彫りのお面を作ってましたが、本当は料理シーンとかも入れたかったです。彼があたたかいスープを作っている姿を描きたかった。
カモクがどんな暮らしをしているのかとか、道具がどんなのかとか、もっと色々見せたかったなあ。

▼初期の構想でもあたたかな飲み物を手に持ってます。



アラシという友達について


アラシはものごとをフラットに受け止める大らかさと、意外なことを馬鹿にするでもなく笑ってくれる明るさが良くて、友達に居てくれたらいいなぁと思います。

彼のポーズやリアクションはするする出てくる。
ツボってるところ描くの楽しい。

彼の周囲の空気は心地よい風が吹いてるんだろうなと思います。感想で「アラシがいい奴」って何人かから頂いて、彼の魅力を伝えられたのかなあと思うと嬉しかったです。
しかしアラシは描くのが難しくて「キミの身体はどうなってんの?」って毎回なってました。猫ベースのフォルムになっているんですが、アラシを描く時はよく我が家のねこたろうをスケッチしてから描いてました。

▼爬虫類ベースにしようと一瞬思ったけどやめた。


森について

今回はカモクに友達ができるまでにフォーカスしていて、彼らが住んでいる世界についてはあまり触れなかったのですが、できるだけ森の空気感が伝わって欲しいなという気持ちで描いていました。水辺と山が好きなので、マイナスイオンたっぷりで凛とした空気感を絵にできたらなぁって。かっこいい木を見つけては写真を撮る日々でした。

一番時間をかけたのはこのコマかも。グラデーションを使わない決まりなので、明け方の神秘的なイメージをどう表すか?悩ましかった。
ここの水面もめちゃくちゃ時間かかった。変なとここだわってしまう。

この森はなんの森なのか?もしまた続きのようなものを描くことがあればもうすこし世界観も明らかに描いてみたいです。


おわりに、ありがとうと、今後のこと


今回、いつも更新しているエッセイ漫画を封印しての集中連載に挑戦してみたのでいつもの投稿とのギャップを感じられた方もいたかもしれません。
そんな中、感想コメントもたくさんいただけて…なかなか漫画に感想をコメントつけるのってハードルあると思うんですが、ましてやこんな辺境の作品に…ありがたいとしか言いようがないです。ありがとうありがとう。
新しく見つけてフォローしてくださった方もありがとうございます。
カモクと一緒に悲しみ喜び、寄り添っていただいて、キャラクターを好きになってもらえたのが嬉しかったです。

今後は電子書籍か、紙の本にまとめることを検討したいと思ってます。
あとは、次回作を考えながらイラストの投稿もしていこうかな。
続きについては、もう少し短い作品を作りながら腕磨きしたいな、という気持ちがあるので、もう何本か別の短編作品を作ってみてからどうするか考えようかなと思っています。練習にお付き合いいただくようですみませんが読んでいただけたら嬉しいです。

一日のなかで漫画を描いてる時間だけは自分だけの世界に入れる時間で、描くことによりすさまじいデトックス効果といいますか、毎日癒されながら描いている状態です。それが皆さんにも楽しんでいただけたらそれ以上のことはありません。

ぜひ、また見にきてくださいね。

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