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弱い私を抱きしめて。
〜プロローグ〜
私は
私をからかい、
馬鹿にする人間が怖かった。
幼なじみがその1人。
私の事を酷く
笑い物にするように。
いつも私を脅かす。
〜愛し、憎し、あの子〜
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時には、ショッピングモールで
その場での衣装変更を余儀なくされ。
年齢順だと言う時も
年上の私を抜かして1番を取りたがった。
そして、私もそれを良しとしていた。
ただ、そうしたいだけだと
純粋にそうしたかっただけ
だと思っていたから。
その裏に、無意識下に、
劣等感や感じる必要のない嫉妬心を
抱えていることを知らずに。
束になると私をからかわずには
居られないのに
1人になると寂しそうに私のことを見ました。
そして、私に好意があることを告げました。
『みっちゃん大好き』
その姿は私にとって
愛すべき以外無い姿だったのです。
〜狐のような女たち〜
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私を脅かす存在はいつも狐のような女でした。
そういう人に限って
本当になぜか綺麗でした。
そんなに美しいのに
どうして私から奪おうとするのだろう。
私には、愛してくれる恋人も、
早く走る脚も、人を魅了する愛嬌も
持ち合わせていませんでした。
私は何も手にしてはいけない
底辺であると認識せざるを得ない
幼少期でした。
私はマヌケでどこかおかしい、
ただ平穏がいい人間だったのに。
なぜか狐のような女たちは
私のような下人を脅かすのです。
気高く見える美しさも、名声もあると言うのに。
気が強く、無鉄砲で、純粋で、
人の事なんか1ミリも考えない。
そんな狐のような女たちが嫌いだった。
〜三浦光希というエピローグ〜
自分のせいで勝手に傷つき続ける私を見て
彼はいつも言うのです。
弱いから、弱い人の気持ちがわかる。
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私はその言葉をバカ正直に信じています。
愛すべき私の大事な旦那。
三浦光希。
貴方の腕の中でもう少し
私を温め続けてください。
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〜蒼三華より愛をこめて〜