もっと行動してくよ
オーストラリアにワーキングホリデーで滞在して三年目。そしてその三年目ももう終わろうとしている。
ワーホリで豪州に滞在可能なのは原則として三年まで。それ以上滞在するためにはビザが切れる前に別のビザに切り替える必要がある。11月末にワーホリビザが切れるためそろそろ帰国せざるを得ないかと思いきや、先日テンポラリービザなるものを取得することができた。
コロナで国境が閉まっているということは、豪州の方も通常ならやって来るはずの世界各国のワーホリ野郎たちを受け入れることができない。故に一部の仕事では働き手を十分に確保しきれていないのが現状だ。そこでこのご時世にのみ取得可能なビザを設け、できるだけ海外からの労働者をこの国に留めさせるという算段だ。ワーホリビザに比べて若干の制限はあるものの、ほぼ同じような種類のビザのため自分としては願ったり叶ったりである。
入国当初は全く想像してすらいなかった四年目に突入ということで、最近オーストラリアでの三年間を振り返ってみた。最初に訪れた町ケアンズ、ニューサウルウェールズ州の田舎に住むオージー一家との暮らし、多くを経験したブリスベン、豪州の都会メルボルン、シドニー、エトセトラ…そこそこの思い出と一生ものと言ってもいい人脈を作ることができたのは本当に有難いのだが、
心のどこかで未だ若干の不安を抱いているのは否めない。
将来のヴィジョンが明確ではないのである。
やりたいことはぼんやりとは浮かんでいるものの、それが確固たるものにはなりきっていない。ひとまず何か一つに絞るべきなのか、しかしあれもしたい、これもしたい、だがそもそも本当にしたいかどうかも曖昧。それらを仕事にできるレベルのスキルも足りているか分からない。英語、スマブラ、執筆、いずれも突出していない。物語の執筆に至っては最近全く手をつけていない。とにかく、中途半端だということである。何かしなくては、と思いつつも正解がどこにあるか分からないので行動できていないのが現状だ。
行動…そういえば三年間を振り返っていた時にも思ったのだが、数年前はもっと色々なことに首を突っ込んでいたような気がする。
ケアンズやブリスベンにいた頃の僕は、今までやったことがない経験、関わったことがないコミュニティなどをネットや広告で探し、ひたすら足を運んでいた。
コメディクラブ、言語交換、バンドのライブ、その他数えきれない種類のアクティビティ。何度か痛い目を見たこともあったものの、それ以上に行動によって得たものは大きかった。スマブラや現地の日本語ラジオといった趣味が似ている人たちと関わることができるコミュニティを発見し、普通のワーホリ生活では出会うことができない人たちと仲良くなれたのは、間違いなくこの行動力のおかげである。そもそもワーホリに来ることができたのだって、行動力によるものじゃなかろうか。
そして行動していた過去の自分は、現在の自分よりも、不安や恐れが少なかったように感じる。
今でも将来への不安は拭いきれてはいないし、行動したからといって解決すると言い切ることはできない。もしかしたら、がむしゃらな行動というのも不安を誤魔化すだけの一時的な処方箋に過ぎないのかもしれない。だが、未知の世界に踏み込むことで見えてくるもの、得るものは必ずあるはずだ。そして何より、自分自身が生き生きしてくるように思う。「楽しい」と感じている状態を維持するというのは何よりも大切だ。そうすれば今後の指標も定まってくるのだろう、と信じたい、信じる。
四年目、もっともっと動きます。
とここまでこれから行動してくよ、という内容を書いたはいいが、正直なところ肉体労働による疲労で今すぐには動きたくないのが本音である。今はできるだけ体をいたわり、とりあえず今日はしっかり寝て明日に備える。そして、明日もしっかり寝る。オンオフのメリハリをしっかりつければ、次第に以前の行動力が蘇ってくるだろう。不安なんて取っ払え。セイヤッ!
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