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【下北での記録】サブカルとは何ぞや

4月17日水曜日 午後2時頃

埼玉出身の学生時代からの友人とおおよそ6年越しの再会を果たしたのは、こちらのdisk union

かつて座布団に座って江戸時代から擦り続けられてきたお話を披露する仕事をしていた彼は、今は配達ドライバーになっていた。

数分程歩き向かった先は、某建物の5階に位置するお店。

「昼から喫煙しながら酒飲める店なんて最高っすねぇ」

相も変わらずヘビースモーカーのそいつはスパスパタバコを吸いながら(一時間そこらで4~5本くらい吸ってた)ゆるく楽しそうに、ただどこか聡明な気を放ちながら話を続ける。

「なんか色々解放された感じがして、今が一番楽しいっすよ」

彼の表現における声やリズム、そして多角的なセンスから、素人意見ではあるけれどもその界隈できっと大成するだろうと僕は少なからず期待していた。そのため廃業の件についてはややショックだったのだが、本人が現状に納得しているのであればそれが正解なのだろう。最適な解答はその人のビジョンを通してでないと分からない。


本の虫でもある彼はよく二人で飲む時にはその時の気分や僕の立場や状況などを鑑みてオススメの本を貸してくれた。


これとか

これとか


そんな彼に自分も本を貸してあげたいと思い、今回用意したのがこれだったのだが…

「あぁ、懐かしいっすねぇ。学生時代読みました」

そりゃ当然通ってるわけで…

ましてや廃業していることを知らなかったものだからやや検討違いのチョイスをしてしまったと反省。


「いやぁ、でも今のサブカルって何なんでしょうね」

彼は続ける。

「元々メインカルチャーに対するカウンターカルチャー的なものだったじゃないですか。ただ今は細分化されすぎちゃって、メインカルチャーと呼べるもの自体が曖昧になっちゃってる」

ネットやスマホが当たり前となり、コンテンツが多様化しすぎていることは当然気づいてはいたものの、それによって「サブカル」の定義が不明瞭になってきているというのは自分にとって新しい発見だった。

「現代のサブカルとは?」の問いについて無理くりながらひねり出してみる。

「メインカルチャーっていうのは、いわゆるメジャーな大衆メディア、例えばテレビやらネットニュースやらで取り上げられうる、自分から触れにいかなくても勝手に入ってくるようなもので、だから自分から探しにいかないとなかなか見つかりづらいものがサブカルなのかなぁと俺は思ってるかな」

粗を探せばいくらでも反論できそうな解答が出来上がった。

今でも世間一般的に認知されているアイドルや音楽ユニット等々は存在するところから、少なからずメインカルチャーは存在しているように思う。

ただひょっとしたらサブカルだったり、もしかしたら地下〇〇といった言葉も近い将来なくなっていくのかもしれないなぁなどと思ったりした。


「昔はサブカルって言葉自体にある種の憧れみたいなものがあったけど、最近はなんか気取ってる感じがして、ちょっとサブカルって言葉をプッシュするのも気が引けるようになっちゃったんよね。ただ自分の好きなコンテンツを見つけるってなったときに、一般的な認知度が極めて高いものから少しズレたところにあるものを探す方が効率が良い。それを見つけようとしたり説明したりするのに一番手っ取り早いのが「サブカル」って言葉なんよな」

サブカルの定義が何にせよ、自分がそれにカテゴライズされうるものに魅了されてきたことは間違いない。それらは大抵どこか複雑で、ある意味歪で、それでもって美しい。

彼も僕が吐いたこの言葉には賛同してくれた、ような気がした。



その後場所を変えてまた飲んだのだが、彼が僕のまだ観てない映画の内容を観ている前提で話してきてネタバレを食らったのですっごいムカついた。おいこのやろう。

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