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主催・安全な水を求める市民の会三鷹 東京新聞松島京太記者講演会 三鷹の水って大丈夫なの?
2025.1.26 三鷹中央防災公園・元気創造プラザ4階「三鷹市生涯学習センター」
#PFAS ってなに?#三鷹の水 って大丈夫なの?
〜記者が語る調査報道「PFASを追う」から見えてきたこと〜
松島京太さん学習会 #安全な水を求める市民の会三鷹
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本日は、「安全な水を求める市民の会三鷹第5回学習会」として東京新聞キャンペーン報道「PFASを追う」で主な取材・執筆を担当する松島京太さんを講師にお招きし、学習会を開催しました。
会場は80人以上の方にご参加いただき、大盛況。
オンライン参加者でも多くの方にご参加いただきました。
安全な水を求める市民の会三鷹とは…
※近年問題となっております有機フッ素化合物(PFAS)による水の汚染から三鷹市民の健康を守ろうと立ち上がった市民の会です。
松島京太さんとは
・1992年生まれ、川崎市出身
・慶応義塾大学文学部卒業後、2017年中日新聞社(東京新聞)入社
・東海本社(浜松市)報道部、名古屋本社整理部を経て2022年8月から東京本社社会部・立川支局勤務
・米軍横田基地や基地周辺自治体、環境省などを担当
以下、本日の学習会から
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PFASとは何か?①用途
・炭素とフッ素からなる有機フッ素化合物と呼ばれる約1万種類の化学物質の総称
・自然界でほぼ分解されず、人体や環境中への残留性が高いため「永遠の化学物質(フォーエバー・ケミカル)」とも
・水や油を弾く特徴があり、航空燃料火災に有効な泡消火剤やフライパンの表面加工、半導体の製造などに利用されてきた
PFASとは何か?②分類
・PFOS(ピーフォス)・2009年にストックホルム条約で付属書B(制限)に追加、2010年に化審法(人の健康や生態系荷影響を及ぼす恐れのある化学物質による環境汚染を防止することを目的とした法律)で国内での製造、販売が禁止
・PFOA(ピーフォア)・2019年にストックホルム条約で付属書A(廃絶)に追加、2021年に化審法で国内での製造、販売が禁止
・PFHxS(ピーエフヘクスエス)・2021年にストックホルム条約で付属書A(廃絶)に追加、2024年2月から化審法で国内での製造、販売が禁止
PFASは原爆製造の際、原爆配管の腐食を抑える為に使用された、軍事製品の一部として使用されたのが最初だった。
戦後に、デュポン社が民間に転用し、焦げ付かないフライパン「テフロン」の名で大ヒット商品に。
その後、3M社がPFOSを開発し、衣類やカーペットに用いられた。
ベトナム戦争時、航空母艦USSフォレスタルが艦上火災し、それがきっかけに泡消火剤が急遽全軍に在日米軍を含め設置、使用されるようになった。
有害性の評価が米国と日本では異なる。
米全米アカデミーズの論文結果として
・脂質異常症(高コレステロール)
・抗体反応の低下
・乳児胎児の成長阻害・腎臓がんに対して、「十分な証拠がある」とされながらも、日本の内閣府食品安全委員会ではほぼ「証拠不十分」との回答であった。
発がん性としては、WHOの専門組織IARCでPFOAを「発がん性がある」PFOSを「発がん性の可能性がある」とした。
飲料水規制の動きとしては、日本では水道水に対して「暫定目標値」、地下水・公共用水に対して「暫定指針値」を設定し、毎日2リットル飲み続けても健康被害が出ない値として、水1リットル当たり50ng以下で、それを超えても法的拘束力はない
米環境保護局(EPA)はPFOA.PFOS各4ngと設定、法的拘束力はあり。
「内閣府食品安全委員会の評価書で示された耐用1日摂取量」は1リットル当たり50ng
その後基準値とする方向だが、数値は1リットル当たり50ngとする方針
国内汚染の状況として、現在多くの自治体で汚染の現状が報告されているが、松島氏が最も注目する場所として4つの地点をあげた。それは、
・多摩地域(米軍横田基地周辺)・岐阜県各務原市(空自岐阜基地周辺)・吉備中央町(放置された使用済み活性炭が汚染源)・沖縄県(米軍普天間飛行場や嘉手納基地周辺)何故その4つの地域か、それは「水道水が汚染されているから」
その後、松島氏は諸永裕司氏の著書「消された水汚染」を読み、東京都水道局に連絡し、取材。
多摩地域278本の井戸のうち、40本の井戸で取水停止していることがわかった。
元々地下水の流動から「横田基地から流れ出た可能性は高い」とされながら、PFAS漏出は認めてこなかったが、2010年〜12年に横田基地内から泡消火剤3000リットルが漏出したことを報道、米軍は漏出は認めたが、基地外への流出は認めなかった。
多摩地域では横田基地からの漏出について一切認めず、多摩地域では立ち入り調査すら実現していなかった。
米側に汚染の原状回復義務はなく、日本側に基地内の立ち入り調査権限がない日米地位協定が解決の壁となっている。
その後、2023年6月22日に在日米軍司令部のTwitterアカウントが日米合同委員会内「環境文化委員会」を撮影したとみられる動画を公開した。(その後、動画をツイートごと削除)
そこから見えるのはニュー山王ホテル(ニューサンノー米軍センター)で「PFAS問題など米軍内で環境分野の情報発信に注力しようと判断したのでは」という話も。
その後、地方自治体の首長は揃って消極的姿勢に終始、米軍基地が相手となると、急に動きが鈍くなる。
だが2024年8月30日に横田基地内の泡消火剤訓練場の貯水池から、豪雨の影響でPFASを含んだ泡消火剤が基地外へ流れ出た可能性が高いと米軍から日本側に通報があった。
通報を受け、2024年12月20日周辺自治体関係者が横田基地立ち入りが実現。
なぜ急に方針転換を行ったかというと、「マスコミや市議会から消極的な都の姿勢が問題視され続け、高まる批判を無視できなくなった」という声が。
2024年12月20日の立ち入りで
・米側担当者から消火訓練エリアを案内され、現場説明を受ける
・今後は環境補足協定に基づいた貯水池のPFAS濃度調査を実施する事で日米と調整中
・調査の対象は通報のあった2024年8月の漏出事故のみ
・地下水汚染に影響を及ぼしている土壌の調査は検討されず
松島氏は今後の動きとして以下の「5つの可視化」が重要だと言います。
①環境汚染の可視化→汚染地域の特定
②血中汚染の可視化→大規模な血液検査で暴露状況、健康リスクを調査
③健康リスクの可視化→疫学調査、動物実験による知見の収集
④米軍の内部情報の可視化→環境汚染分野の透明性確保
⑤怒りの声の可視化→要望書や抗議デモで行政に危機感を伝える
[その他]
・三鷹市からほど近い調布飛行場では泡消火剤は使用されていない
・家庭での対策として、一般の浄水器、特に活性炭が使われている浄水器を使用することでいくらか除去はできる
・現在、多くのPFAS汚染地区では少しずつ解決に向けて動き出している。だが、ここ多摩地域や沖縄では日米地位協定の壁があり、汚染源の特定すらままならない。
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途中かなり端折りましたが、以上が報告でした。
個人的にはこのPFAS汚染に関して、「日本側の必要以上の忖度があるため」といった声を最近良く聞きます。
もちろん日本政府や自治体首長の必要以上の忖度はあると思います。
それは、実際にニューサンノー米軍センターに抗議に行き、必要以上の警官隊に囲まれ、日本側の必要以上の忖度、という状態なのを強く感じます。
ですが、そもそもその必要以上の忖度を与える存在である米軍がやはり問題の大本の原因であることは間違いありません。
日本政府に声をあげる事ももちろん大事ですが、そもそもその土地を汚したのは米軍であるので、米軍に対しても声をあげるのは当然。
その土地を汚した米軍にしっかりと責任を取らせる。
日本側が米軍に対してしっかり交渉する事も当然大事です。
ドイツもイタリアも韓国も地位協定を改定しました。
日本政府もしっかりと米軍に対して物を言い、国民は米軍に対して抗議の声をあげ、地位協定を改定しなければいけません。
今年で戦後80年です。
日米合同委員会でどこまで話し合われていたのか、議事録を開示させ、日米合同委員会を廃止し、日米地位協定抜本的改定を目指します。
彼ら米軍は、本当は国民の声を最も気にしていると思います。
国民が米軍に対し声をあげたからこそ、他国では地位協定が改定されたのです。
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