2022.10.16 あの陥没事故から2年… 調布市つつじヶ丘で「外環道反対集会」 トンネル掘削工事再開の為の地盤補修工事は相変わらず欠陥だらけ?!
【外環被害住民連絡会・調布】
住民集会&稲積真哉先生講演会
調布市道路陥没事故から、あと2日で丸2年。
2020年10/18、調布市つつじヶ丘で住宅地が陥没する事故が起きた。
その後、紆余曲折があり、いよいよここまで来てしまいました。
「トンネル工事再開に向けての地盤補修工事」
一連の流れがわかっている人からすれば信じられないこの工事です。
なぜかというと、今年の2月に東京地方裁判所は工事の差止命令が下っています。
主な理由はトンネル直上以外の住民も危なくてそこに住んでいられないということ、再発防止策が提示されない、ということです。
それなのに、事業者のNEXCOは一番の被害者である調布市つつじヶ丘の住民の理解を全く得ずに、トンネル工事再開に向けての事故現場付近の緩んだ地盤を補修する地盤補修工事を強行しようとする。
国のお墨付きがあるから強気なのか、それとも何も考えていないのか?よくわかりませんが、とにかく地盤補修工事を強行しようとしているのです。
そこで今日、「説明と合意を求める住民の訴え」を発信する場として、外環道陥没2年集会を開催。
集会のゲストには、地盤工学の専門家である芝浦工大教授の稲積真哉先生も参加し、講演。
自分のような素人にもわかりやすく、NEXCOが強行しようとしている地盤補修工事の問題点を発信してくださいました。
“高圧噴射撹拌工法”
名前を聞いただけでは素人には全くわからないこの工法。
セメント、水、空気をジェット噴射で地中深くの中で蒔き散らし、排泥、掘削土砂を地表に排出し、地中を固めていく工法。
最終的に稲積先生が口にしていた言葉は、「地中深くの事は、実際にやってみないとわからない、地面の下は目に見えない」。
机上の空論では何とでも言えるが、実際にこんな工事はやってみなければどうなるかなんてわかりっこない。
だって、住宅の真下にこんな高速道路のトンネルを掘るなんて、今までやったことないのだから。
一番大事なのは環境の事ももちろんあるが、本当に一番大事なのは、地域の住民の生活が事故前の時のように安全な暮らし、平穏な暮らしが訪れるのか。
陥没、空洞、振動、騒音、低周波音、様々な被害を起こしながらもその被害の声を無視しながらこの狂気の工事は突き進んできました。
稲積先生はこの言葉を強調していました。
「何の目的にこの地盤補修工事を行うのか、事業者は理解する事」
今回の地盤補修工事は、「ローム質土」「武蔵野礫層」といった地表面からは浅い層は地盤補修せず、その更に深い「東久留米層」という地中深くを地盤補修するそうです。
だが、専門家は口を揃えて「地上に住んでいる住民の安定した生活を守るためには地上から5㍍〜10㍍、15㍍を安定させる事。だが、今回の地盤補修工事は、その表層面は工事せず、深い部分だけを工事する。表層部分を改良しないということは、地表面に一番影響する。地上に住む住民の安全を守る工事ではなく、工事のための工事、トンネル工事を行う為の工事だ」
専門家でなければわからないこの意見。
聞いたときはビックリしました。
事業者ならばその表層面を改良しなければ地上に振動などの影響が出る、という事は知っているはず。
知っていてこの工事を強行するのならば、住民の安定した生活の事など考えていない。
知らなかったならば、こんな工事を行う資格はない。
もうここまでこれだけの問題をおこし、ここまで住民無視で工事を強行しようとする事業者であるNEXCOには、そもそもこの工事を行う資格は本来ならばとっくにないはず。
大深度法(使用認可の条件)
第16条「国土交通大臣または都道府県知事は、申請に係る事業が次に掲げる要件のすべてに該当するときは、使用の認可をすることができる」
四「事業者が当該事業を遂行する十分な意思と能力を有する者であること」
NEXCOが事業を遂行する十分な意思と能力を有すとはもうここまで来ると、とても思えません。