2019.11月〜2020.1月26日 「日米貿易協定反対」運動 自由貿易は日本の墓場 主権蹂躙も甚だしい日米貿易協定(日米FTA)
主権蹂躙も甚だしい日米FTA 国会承認急ぐ政府が明らかにしない協定の内実
政治経済2019年11月19日 長周新聞 #安倍政治
近頃、2019年に締結し、2020年に発効された「日米貿易協定(日米FTA)」について、当時参議院で参考人として国会招致された鈴木宣弘先生が国会で発言されている動画が拡散されているのをよく見かけます。
自分は2019年当時、日米貿易協定について徹底抗戦、撤廃反対運動を行っていました。
狂牛病米国産牛肉輸入制限撤廃、成長ホルモン材混入米国産牛肉、主権蹂躙甚だしい日米貿易協定です。
当時ほとんど話題にはのぼっていませんでしたが、誰よりも反対運動を行ってきました。
そして、その日米貿易協定を締結したのが一昨年お亡くなりになられた安倍晋三元総理です。
売国協定、まるで明治時代の日米修好通商条約を思い出す、現在の日米貿易協定。
いつかは必ず行われる予定の第二弾の本丸、日米FTA。
その第二弾は、日本の完全属国化。
トランプ政権に言われるがままにその売国的な扉を開いたのが、最近全く根拠のない称賛をよく目にする安倍晋三元総理です。
以下、長周新聞よりコピペ!
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安倍首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑騒動に隠れるかたちで15日、衆院外務委員会は日米貿易協定の承認案を可決した。自民、立憲民主、国民民主の国対委員長は13日に会談。日米貿易協定承認案を19日の衆院本会議で採決することで合意し、来月9日の国会会期末までに承認する段取りだ。これでトランプが要求する1月1日発効が可能になる。審議らしい審議もせず、協定の中身や国民生活への影響などほぼ国民には知らせないままに、与野党ともども来年11月に大統領選挙を控えるトランプの事情を忖度した結果だ。トランプは大統領就任直後の2017年1月に12カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱し、アメリカ側の要求を呑ませやすい二国間の日米FTA(自由貿易協定)交渉に切り変えた。日米貿易協定が国民生活になにをもたらすのかをあらためて見てみたい。
日米FTAの合意書を交わした日米首脳会談(9月26日)
USTRが公表した「交渉の目的」にみる
日米貿易協定の中身を知るうえでは、米国通商代表部(USTR)が2018年12月に公表している「日米貿易協定交渉の目的の要約」が的確にアメリカ側の狙いを示している。
2018年9月にトランプと安倍首相が日米首脳会談をおこなったさいに、日米貿易協定の交渉を開始することで合意した。その後アメリカ国内ではパブリックコメントの実施や公聴会を開催し、その結果をUSTRがまとめたものが「交渉の目的」である。アメリカでは、交渉開始の30日前までに交渉目的の公開が政府に義務づけられている。
「交渉の目的」には以下の22分野・項目があげられている。①物品貿易、②衛生植物検疫、③税関、貿易円滑化、原産地規則、④貿易の技術的障害、⑤良い規制の慣行、⑥透明性・公告・管理、⑦サービス貿易(電子通信及び金融サービスを含む)、⑧デジタルの物品貿易及びサービス、越境データ移転、⑨投資、⑩知的財産権、⑪医薬品及び医療機器における手続きの公正、⑫国有企業及び政府管理企業、⑬競争政策、⑭労働、⑮環境、⑯腐敗防止、⑰貿易救済、⑱政府調達、⑲中小企業、⑳紛争解決、一般規定、為替。ほぼTPPの項目と同じだ。
このうち今回は①の「物品貿易」と⑧の「デジタル物品貿易及びサービス、越境データ移転」の項目についての貿易協定だ。
2018年9月に日米貿易協定の交渉に入る最初からトランプは2段階でいくことを表明している。それは大統領選挙に向けてまず農業分野の市場開放を先行決着させる必要があったからだ。「第2段階の交渉」は今回の協定発効後の2020年春にも開始する予定で、今回の2項目に残りの20項目をあわせて日米FTAの総仕上げをする計画だ。
①の「物品貿易」のなかには工業製品と農産品がある。物品貿易では、「米国の貿易収支の改善と対日貿易赤字削減」を掲げている。
農産品については「関税の削減・撤廃によって米国農産物の市場を確保する」としている。
今回対象となったのは、牛肉、豚肉、豚肉加工品、鶏肉、小麦、大麦、脱脂粉乳・バター、ホエイ、チーズ、りんご(生果)、オレンジ(生果)、砂糖、でん粉、小豆、いんげん、落花生、ワイン、天然はちみつ、麦芽、スパゲティ、マカロニ、ビスケット、フローズンヨーグルト、乳糖、その他などで、ほとんどの農産物や加工品について関税削減や撤廃がおこなわれる。
ただ今回コメについては交渉対象からはずした。それもトランプの都合で、コメの主産地であるカリフォルニア州が民主党の支持基盤であり、関心が薄いというだけのことだ。
また、コメ市場の開放に踏み込めば日本国内の反対世論が高まり、早期決着に持ち込むうえで不利に働くことを懸念しただけで、今後コメ市場の開放を持ち出すことは必至だ。
関税削減・撤廃によって安いアメリカの農産品や加工品が入ってくることで日本国内の畜産・酪農、果樹農家や加工品製造業者などへの打撃は重大だ。食料自給率は2018年に37%にまで下落しており、今後これ以上低下することは必至で、先進国のなかではきわめて異例の食料の輸入依存国になる。
アメリカ側が農産物貿易で重視しているのは、関税削減・撤廃だけではなく、農業バイオテクノロジーによって開発された製品の市場開放だ。農業バイオテクノロジーといえばTPPでは遺伝子組み換え作物を指していたが、日米貿易協定の目的ではそれに加えてゲノム編集の生産物も対象にしている。
さらに、「米国の農産物を差別する非関税障壁」の撤廃を要求してきている。BSE対策としての月齢制限の撤廃や、残留農薬基準の緩和、遺伝子組み換え(GM)表示義務の撤廃や緩和など、食品の安全を守るためにもうけている国内の基準を撤廃・緩和することを迫っており、国民の健康や生命が脅かされることに繋がる。
物品貿易における工業製品の項では「米国内での生産と雇用増加を目的とする」としている。今回の貿易協定では、TPPで約束した日本車への関税撤廃をほごにした。農産品ではトランプは実質的に「TPP水準以上」を要求してきたが、日本の自動車についてはTPPでの約束も簡単に破棄している。
工業製品のなかでは、医薬品、医療機器、化粧品、情報通信技術機器、化学品などについては関税による処理ではなく、対日輸出促進をはかるための規制緩和を要求している。
⑧の「デジタルの物品貿易及びサービス、越境データ移転」も今回の貿易協定に含まれている。
「デジタル製品(ソフトウェア、音楽、ビデオ、電子書籍)に関税を課さない」「国境をこえるデータ(個人情報を含む)の自由な移転」「コンピューター関連設備を自国内に設置する要求の禁止」「政府によるソース・コードやアルゴリズムなどの移転(開示)要求の禁止」「SNS等の双方向コンピューターサービスの提供者の損害責任からの免除」などをおもなルールにしている。GAFA(アメリカに本拠を置く、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)などの巨大プラットホーム企業にとって有利な条項がTPP以上の内容で盛り込まれており、現時点で世界でもっとも企業に有利な協定だ。
①と⑧については今国会に、「日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定」として承認案が提案されている。
2019.12月三鷹市議会で、市議会会派・「いのちが大事」が日米貿易協定(日米FTA)に批准しないよう求める意見書(案)を市議会に提出していました。
三鷹市議会・いのちが大事が議会運営委員会(12/5)に提出した意見書・決議 その1
▢日米貿易協定(日米FTA)に批准しないよう求める意見書(案)
国会では、12月4日、参議院本会議で日米FTAを可決し承認した。しかし日米FTAはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)同様、法律や規制をグローバル企業に都合がいいように変えていくための中身である。
11月28日の参議院外交防衛委員会において、参考人の鈴木宣弘教授は、「今回の日米貿易協定では、自動車と部品の関税撤廃が実現されなければ800億円程度の生産減少に陥る可能性が示唆され、農産物(乳製品・食肉生産額を含む)は9,500億円程度の生産減少が生じる可能性も示唆されている。国内農業生産への複合的影響は深刻で、国内政策や過去の貿易自由化の影響で既に農業生産構造の脆弱化が進んでおり、そこに一層の自由化が上乗せされることの全体の影響の大きさを見なければならない。2035年には、牛肉、豚肉の自給率は10%台に突入する危険性がある。また、消費者にとっては、輸入農水産品が安いと言っているうちに成長ホルモン、成長促進剤、BSE(狂牛病)、遺伝子組み換え、ゲノム編集、除草剤の残留、防カビ剤などを含む食物を食べ続けると病気になる確率が上昇するリスクがある」と発言している。
このように、日米FTAに批准してしまうと、食物の自給率や食物の安全が著しく失われてしまう。また、本市も生産緑地を維持し、農業を守っているが、輸入食物に取ってかわられてしまうおそれがある。
政府や国会が行なうべきは、市民の生命や財産を守ることであって、グローバル企業に利益を差し出すことではない。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、日米貿易協定(日米FTA)に批准しないよう強く求める。
上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
注:各会派間の調整を経て、12月17日の議会運営委員会で取り扱いが決定されます。
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