"もったいない"は危険信号:無駄をやめる決断術
サンクコスト(sunk cost)って聞いたことありますか?
「既に支払ってしまっていて取り戻すことができない費用や資源のこと」を指します。
例えば、
映画のチケットを購入したけど、見ているうちに映画がつまらないと感じた場合に、チケット代(サンクコスト)は取り戻せません。
でも人間は「お金を払ったから最後まで見るべきだ」と考えがちです。
最後まで見る「自分の時間の価値」を見失った状態です。
これは企業でもよくあること。
プロジェクトに多額の資金を投入したにもかかわらず、うまく進んでいない状況で、合理的に判断すると進め方をガラッと変えて新しく仕切り直すことが最も効果的だけど、すでに投資した資金のことをいつまでも考えて方向転換できない。
人は誰でも「時間」と「お金」をかけたことに引きずられて生きている
もっと進化したい、変わりたい、と願って行動しているにもかかわらず、過去の自分が支払った対価をどうしても取り戻そうとしてしまいます。
これがなんとも厄介。
過去にやってきたことばかりに集中していると「それを手放せないリスク」や「新しい体験ができないリスク」を見失いがちです。
これに〇〇円かけたから捨てられない、もったいないから今の状況を継続する、新しいやり方をするとまた時間とお金がかかる・・etc
「捨てない」「やらない」理由はほっとくとどんどん膨らんでいきます。
これは年齢を重ねるほど大きくなる。
日本の社会がまさにそうですよね。
組織の上の人ほど、現状を変えることや新しい取り組みに消極的な人が多い。
これまで自分がやってきたことを捨てられない。
変えることが怖い。
人間が生きていく上で大切にすべきもの
それは過去ではなく「今から続いていく自分の時間」です。
過去はどんな時でも学びでしかないと割り切ること。
「今、この状況がゼロから始まったとしたら、自分は何を選ぶか?」
いつもこのスタート地点に立てると、自分の可能性を最大限に拓いていくことができます。
この考え方を実践するには、自分の勝手な感情ではなく、冷静に事実に基づいて判断する決断力が必要です。
この決断力こそ、過去の自分の行動(データ)から培われていくものだと思うのです。
だから、何かうまくいかないコトやモノがあっても、時間とお金をかけたことは無駄ではなく、決断力を磨くためのデータとなっていることを忘れないでほしいです。
その経験から未来に何を活かすか?
「未来の時間と資源を大切にする選択が本当の価値」であり、人生を拓いていく術(すべ)になります。
完璧を目指さない
未来を大切にする決断をしていくためには、完璧にこだわらないこと。
「ここまでやったんだから続けなきゃ」ではなく、
どんな時も改善する余地があり、軌道修正の連続であることを理解することが大事。
「損切り」するような決断だったとしても、それは失敗ではなく、より良い未来のためのステップです。
「本当に大切にしたいことは何か?」
「今の状況(進め方)は、自分の価値観や人生の目標に合っているか?」
自分への問いかけを忘れずに選択する勇気が大切です。
サンクコストを捨てる勇気を持つことは、過去を手放し、未来を信じる姿勢そのものだと思います。
人生を「選び直す」自由を恐れずに、「今の自分にとってベストな選択」を大切にしてください。
それが何より自分の成長につながり、より満足感の高い生き方へと導いてくれると信じています。