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漫画版 資本とイデオロギー Capital et Idéologie en bande dessinée 読みました

最近、フランスの経済学者トマ・ピケティのベストセラー「資本とイデオロギー」をベースにした漫画を読みました。これまでいろんなお金にまつわる本を読んできましたが、今回は初のフランス語です。(マンガですが)

amazon.fr "Capital et Idéologie en bande dessinée"

この漫画は、ピケティの「資本とイデオロギー」をベースに18世紀から現在まで家族の物語を通して、時代の社会と経済、仕事、収入などを説明しています。それによって、基本的な経済の理解、富、不平等、課税の社会的影響などが理解出来ます。

ピケティが唱えた

「 r > g 」


「r」は資本収益率=資産運用によって得られる富
「g」は経済成長率=労働によって得られる富

ピケティは著書『21世紀の資本』で18世紀までのデータを分析し、「r」の資本収益率が年に5%程度であるにもかかわらず、「g」は1~2%程度しかなかったと指摘します。
これが「r > g」の不等式が成り立つ根拠です。この不等式が示すのは、資産運用によって得られる富が、労働によって得られる富よりも速いペースで成長するということです。現在の格差が拡大しており、富裕層の資産は世襲され、ますます富を蓄積していくと考えられています。ピケティは、この格差を是正するため、累進課税型の財産税や所得税を設け、国際的な協力によってタックス・ヘイブンへの資産逃避を防ぐ必要があると主張しています。

ピケティの日本語訳はいくつか出ていますが、分厚いし、専門的過ぎるし万人向けではないと思います。こに漫画版はとても分かりやすくなぜ富める者はますます富み格差が拡大するのかを説明しています。日本語訳の出版を希望します!

ピケティ監修・出演の映画「21世紀の資本」もおすすめです。


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