ビロードのような美しさ
一面の麦畑。
まだまだ青々とする麦畑は、風になびいて、光を浴びると、まるでビロードか、ベルベットのような、ちょっと触れてみたくなるような、滑らかさ。
「(麦畑は)曇った空の下にビロードのように滑らかに美しく眺められた。」志賀 直哉 :著
暗夜行路の中にあったように、とても美しかった。
佐賀は麦と米、あるいは玉ねぎとお米、大豆とお米、といった二毛作、ところによっては三毛作のところも多く、今の時期、至るところに、玉ねぎ畑か、麦畑、あるいは田植え前の蓮華畑を、見ることが出来ます。
黄金色に輝き始める収穫期の麦畑も綺麗だけれども、あ、今の時期の麦畑もまた素敵だなぁと魅了されておりました。
さくらの記事を書いている途中ですが、長崎県民なのに、すっかり佐賀づいているこの頃の、つい先週末のお出かけ写真を。
佐賀県は、山に囲まれた平野部が広く、海もあり、自然豊かで、農業、漁業が盛んで、新鮮で美味しい食材が豊富。更には、無添加、無化調、オーガニックの飲食店も多く、相方の職場が佐賀県内になったことも相まって、山を越えて、よく出かけています。
そんな佐賀県の海、伊万里湾を一望する山まで車でちょっと上ってきました。腰岳、というそうですが、初めて来ました。山頂ではないんですが、車で上れる一番奥に、トラピスチヌ修道院があり、そのすぐ脇が、展望台になっています。
ベンチもあって、伊万里市街と伊万里湾が一望できるとってもいい眺め。伊万里湾大橋や、名村造船所、福島も見えます。お弁当持ってきて食べても気持ちよさそうだなぁ。
車を停めて、こんな斜面を上がっていきます。
上から修道院側を見下したところ。
終わりかけの八重桜が青空にキラキラと輝いて綺麗。
週末の日曜日がこんなにお天気が良かったのは、久しぶりだったので、こんないい眺めが楽しめてご機嫌な日曜日でした。
展望台の駐車場の奥に細い道が続いていたので歩いてみましたが、オフロードバイクじゃないと走れないような道になってましたので、車は、やはりこの展望台のところまでですね。
そして、蓮華畑。こんな蓮華畑、この辺りでは、普通に見られますが、蓮華は、勝手に生えてきているわけではなく、農家さんが、毎年、種を蒔いています。そして、田植え前に、蓮華草ごとすき込むことで、窒素肥料の省略、及び減肥が可能ということなんですが、蓮華の種子代が結構高いということで、やらなくなってきているところも多いとか。それでも、有機栽培や施肥コスト削減の為に、化学肥料の替わりに、蓮華草の使用が見直されてきているとのこと。そして、そうなってくると、蓮華草の種子代も毎年はコストがかさむので、毎年、種を蒔かなくても、2年目以降に自然発芽させられる播種時期、というのがある、という資料がちょっと調べていたら出てきました。自分が稲作をするわけじゃないのですが、面白いなぁと思ってみていました。
写真を撮る立場としては、この美しい日本の春の風景が、消えてなくならないことを願っています。
愛宕山、別名相浦富士に落ちていく夕陽と蓮華草。(蓮華草の写真は佐賀県ではなく長崎県に帰ってきてから撮ったものです。佐賀では、既に太陽は山の向こうに沈んでいました。)
夕陽に輝く蓮華草。大好きな風景、大好きな時間帯です。
と、週末、佐賀県内には、ホントによく出かけていて、そんなに佐賀県内ばかり出かけているなら、佐賀県民になればいいのに、と云われるところなんですが、私達にとっての最大のネックが、佐賀は冬が寒い、ということ。山に囲まれた盆地、という地形のせいか、海もあるんですが、こちらより圧倒的に寒い。そして、日暮れが早い。佐賀から山を越えて、九十九島まで帰ってきて、まだ日があって、夕陽に輝く九十九島の海を見ているとホッとします。あ、帰ってきたなぁって。やっぱりここに住んで良かったね、と家の前の景色を見て、いつもそう感じています。
最後に、九十九島とつつじ。今日の撮って出しです。
昨日からの雨は、午前中には上がりましたが、思っていたよりスッキリと晴れませんでした。でも、時折り、日差しもあったので、鹿町にある九十九島でいうと北九十九島に当たる長串山公園まで、ツツジの開花状況を見てみようと、足を運んでみました。行ってみたら、悪天候で休園となっていて、料金は取られませんでしたが、中に入ることは出来、そこそこ車も停まっていました。
今年は、ツツジの開花も早いのですが、ここは、早咲きと遅咲きのツツジと両方あって、全体的には、まだまだ、でした。既に咲いたツツジの花は、雨で傷んでいるものもありますが、まだもう少し、楽しめそうなので、お天気の良いときにでも、また出かけてみたいなぁと思っています。