保育士の残業
「早く帰りたいのに、また残業か……」
保育士の心の声がきこえてきます。
実際にそんな悩みを抱えている保育士は多いのではないでしょうか。
残業が当たり前になっている。しかも、退勤を押したあとに……。
賃金の発生しない残業していませんか?
それは、労働基準法に違反していることなのです。
日常化しているサービス残業
「いくら書いても終わらないよ……」
「どうやって書けばいいんだろう」
保育士の仕事は、子どもの保育だけではありません。
連絡帳や保育の記録、日々の保育の準備、行事、保護者の対応、書きだしたらきりがないくらい多いのです。
しかも、保育中に書類は書けません。
子どもと離れた少しの時間で書類を作成したり、お昼寝中に連絡帳を書いたりします。
とうぜん、新人の頃はまだ書類に慣れずに時間がかかります。
就業時間内では終わらないことの方が多く、残業の日々。
これでは疲れてしまいますよね。
私もそうでした。
私には訳があって、新卒で就職した所を10日で辞めた職歴があります。
その後、非常勤として公立の保育園で働き、翌年に正規職員になりました。
私が勤めていた保育園の先生たちは、家に帰れば母親業の方がほとんどでした。
定時になると「お疲れさまでした。お先に失礼します」と帰っていく先生が数名いました。
よし!私も続け!
と、思い切って先輩のあとについて
「お疲れさまでした。お先に失礼します」と言って帰りました。
案外サラッと帰れて、それからは「ほんとうに必要なときだけしか残業しない」という心持ちができたのだと思います。
きっと、私の環境は恵まれていたのでしょう。
無駄な仕事はしない。優先順位をつける。
でも、定時で帰るには、やはりその日の仕事を終わらせなくては帰れませんよね。
私が30年の保育士時代の経験から学んだことは、
・無駄な仕事はしない
・優先順位をつける
・明日やればいいことを今日はやらない
ということです。
「あれもこれもやらなくては」
と思うと、どれから手をつけていいかわからなくなります。
ですので、仕事の優先順位をつけました。
今すぐやること。今日中にやるべきことは、その日のうちに仕上げるようにします。
しかも、定時にはあがれるように。
ありがたいことに、私は書くことがあまり苦にならなかったので、連絡帳などはお昼寝の時間に書けました。
連絡帳を書くコツは、その子の今日一番伝えたい事だけに絞ることです。
保護者が読んで、よい気がしない内容を書くときもあると思います。
そのようなときは、そこに加えてその子の良かった場面、うれしかった場面を書くようにしていました。
日誌なども要点をおさえて書くように心がけました。
もちろん、園長先生に「これはどういうこと?」と言われたことも、訂正されたこともたくさんあります。
そんなときは落ち込みますが、
「勉強のうち、これでいいんだ」
と思うことにしました。
次から気をつければいいんです。次は完璧に。なんて思わなくていいんです。やっていくうちに身についてきます。
(そう思うと、メンタル強化の方が大切なのかもしれませんね)
あとは、明日やればいいことを今日はやらない。
私は定時にはあがりたかったので、それまでに仕上げるつもりで仕事をしていました。
サービス残業は違法です
私が働いていた保育園でも、退勤を押してから残業している……という保育士がチラホラといたのです。
私は賃金も出ないし、ダラダラと仕事するのが嫌なので帰っていました。
異動してきた後輩から
「先生がいてよかった~先生のあとについて帰ります」
と言われたことがあります(私が定時で上がるのを、みんなは知っています)。
みんな、ほんとは残業したくないんだろうな。と思いました。
だから後輩から言われたときは、
「ついておいで~」って言ったのですが、いざ定時で上がるとき
あれ?後ろにいない……
というかんじで後輩は、残業の仲間入りになってしまいました。
園長に報告してから残業することになっていますが、以前申請をしたらダメと言われたことがあります。
それは、残業代をつけなくてはいけなくなるからだと思うのですが……
?????
サービス残業なら良くて、賃金発生の残業はダメなんですか?
おかしいですよね。
でも、これが保育園の現状なんですよね。
当たり前のサービス残業。
本当なら、園長や主任が率先して帰らないといけない
園長や主任が残業しているのに、自分だけ帰れない。
きっと、そう思っている保育士が多いことでしょう。
わかります。
本当なら、園長や主任が
「お疲れさま、帰るよ~みんなも帰りな~」
「残業する先生は言ってね」
と、ひと声かけるべきだと思います。
ひと声あるだけでも違いますからね。
でも、悲しいことにそれがない保育園が多いことも事実。
ですので今できることは、少しずつ自分の仕事の優先順位をみつけ、無駄な仕事を見極め、残業を減らしていくことです。
体と心が悲鳴をあげる前に実践してみてください。
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