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現場で働きながら、保育士不足解消のため活動していた時の話

保育現場や働く人たちを支えたいと考えて、ホイクネクトという会社を立ち上げたのは、全てこれまでの私の保育士としての経験が土台になっています。
自分自身の整理と覚悟のために、少しずつ記録に残しておこうと思います。

3年間だけでしたが、小規模保育園の園長をさせていただいていました。
園長になる前から潜在保育士支援活動をしていたことは、少し前の記事でも触れましたが、「それなら保育士が働きやすい保育園を作ってみたらどう?」と声をかけていただいたのです。
それまでの活動も少しづつ認知されてきた頃だったので迷いに迷いましたが、管理をする立場でしか見えない景色があるはずと決心することに。
しかし、これがなかなか大変でした。
0〜2歳児対象で定員19名の小さな保育園ですが、認可保育園なので行政の管理のもとやるべき事は大きな園と同じです。
様々な縛りが、職員数の少ない小規模保育園の運営に影響することを知りました。
また保育士の働きやすさだけを保証することが園長の仕事ではありません。
新規園で保育士の人間関係も、どんなふうに保育を進めていくかもゼロからの出発。
1年目の私の仕事は、子どもたちを安全な環境で保育するため、日々の保育を安定させていくことで精一杯でした。気持ちのゆとりはなかなか持てるようにはなりませんでしたが、それでも少しずつ保育体制が落ち着いてきて、それまでの活動も再開できるようになっていきました。

保育士不足解決の提案をしてみた

落ち着いてきたと同時に、2年ぶりに戻った現場で感じる保育士不足。
自分の園だけの問題ではない!と強い思いが溢れてきて、保育士支援の活動を再開しました。
園長の仕事だけでもいっぱいいっぱいなのに、それでも頑張れたのは一緒に働く保育士の応援があったからです。保育士不足の課題を解決するにはどうしたらいいのか、地元の行政と一緒に東京大学が主催しているCOG2018(チャレンジ!!オープンガバナンス2018)に出ました。
それまでにも社会課題解決を目指して行動を起こしていましたが、問題が大きすぎて、糠に釘、のれんに腕押しの状況でした。
その当時主宰していた潜在保育士コミュニティの仲間と一緒に、ここに参加することで社会に投げかけられることがあるのではと考えて、東京大学のコンテストという信頼性を手がかりにして、地元の行政に呼びかけ一緒に参加をしました。

問われて考えるを繰り返し

目の前で起こっている問題は当事者がよくわかっていることなので、現場の中の人を中心に、もしくは管轄の行政と一緒に話すことが多いと思います。
しかし働き方や人材育成などは、保育以外の分野でも試行錯誤しながら進めてこられた経過があると思い、積極的に異分野の方々のお話を聞かせていただいていました。
そのまま保育の現場に当てはまらなくても、視点や考え方など参考になることが多いので、このCOG2018のチームも保育関係者に加えて、新鮮な視点で見てくれる保育業界ではない方に誘いかけ「E-ほいくプロジェクト」という名前で参加をしました。

異分野の方達との話はとても面白く、保育の中の「あたりまえ」に「なぜそれをしているの?」「どうして必要なの?」とたびたび投げかけてくれます。
保育現場にいる者として、専門性を理解していただくために説明することももちろんありますが、中には「確かに。なぜこだわっていたんだろう?」と思うこともありました。
保育園の現場は調理師や看護師、事務職などの専門職もいますが、人数的に保育士が多いので専門性を極めやすい反面、あたりまえになって見えにくくなっていることも多いのだと思います。
ましてや、その園の中で管理職や先輩たちがあたりまえとしていることに違和感を持ったとしても、なかなか「どうして必要なのですか?」とは言いにくい雰囲気もあります。
現場の人たちが、保育以外の様々な人たちと関わることができれば、もっと自分達を俯瞰して見ることができ、その専門性の良さに気づくきっかけも多いのではないかと思った経験でした。

そして見えた、なぜ現場と人を支えたいのか


チームのアイデアは仕組みを大きく変える必要があるものでしたので、実行するとなると多くの課題が出てきたと思いますが、審査員である東京大学の先生方からいただいたアドバイスから、「もっと検討の余地はあるけれど、あきらめないで」というメッセージが伝わってきました。
残念ながら受賞はできませんでしたが、発表をして終わりではなく、参加をきっかけにして思考が整理され、大切にしたいことがよりクリアになっていく感覚もあり、実現可能な社会課題解決を目指したいという思いはますます強くなりました。そしてそれは、弊社ホイクネクトの中に受け継がれています。

保育士を支えることは、
子どもの命を守ること。
子どもの育ちを支えること。
子どもの福祉や権利を保証すること。
保護者や家庭を支えること。
地域を支えること。
社会の経済を支えること。

子どもたちが元気な大人の姿を見て育ってほしい。
保育の仕事は、直接関わっている子どもたちだけでなく、様々な人たちを支える仕事でもあります。
だからこそ、ホイクネクトは、まず保育現場と保育士・潜在保育士を支えたい。
そう考えています。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。



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