マージナルとはマージナルということ
Cover Photo by Kon Karampelas
ここのところ、バリューとブラフに分類しない新しいベット理論について紹介してくださった有益な記事や動画が、立て続けに公開されました。
バリューとブラフに分けない考え方
Lillian
ベットする2つの目的~バリュー・ブラフはもう古い!?
しまぽのポーカーチャンネル Poker
『ベットする理由(最新版)』by Upswing Poker
エルキー
(以上敬称略)
リリアンさんの記事は概念的に1.5次元ほど上の層で抽象化して、原則として解説してくださっています。
しまださんの動画では、アクションを考える際にどういう指針を持つべきかについてわかりやすく説明してくださっています。
詳しい内容についてはそれぞれのリンク先を確認して頂ければと思いますが、最後のエルキーさんの記事(2020/09/01 リンク先は削除済み)の中で端的に新しいベットの理由がまとめられています。
私の言葉で書くと、以下となります。
1) EQが有利なハンドに対して、ポットを大きくして得られるチップを増やす。
2) 相手のハンドを降ろして、EQを奪う。
EQはEquityのことです。
今回の記事では、概念自体は以前から存在していたものの、GTOソルバーの登場以降急速に広まった、マージナルなハンドでのベットが有効な局面について検討します。
マージナルハンドでのベット戦略は、新しいベット理論とマッチしており、共に考えることでその背景となる理由が見えてきます。
例えば、Kハイのドライボードなので広く小さくベット、といった風にアクションを選んでいないでしょうか。果たして本当にそういった状況で広くベットする戦略は有効なのでしょうか。
なぜ広い範囲でのベットが許容されるのかを、相互のレンジを元に考えることで、応用の利く知識として整理することが本稿の目標です。
また、以前から使われていた用語ではありますが、本稿ではプロテクトという言葉を使って説明を試みています。厳密に定義された言葉ではないので、まずは次章でこの記事内で使われているプロテクトの意味を明確にします。
マージナルハンドをプロテクトするとはどういうことか
まずはプロテクトと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
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