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How much, How often

Cover Photo by  Clay Banks

ポーカーには様々な学習方法や思考方法があります。先日木原さんが投稿してくださった記事で、目から鱗が落ちるような思いをした方も多かったのではないかと思います。

学習方法に関してどのような方法が良いのかについては、いつの時代においても、あらゆる分野で尽きない話題と言えます。これは仮にその時の環境において最大効率的な学習方法が存在していたとしても、それが適さないレベルの層にとっては有益とは限らないからだと思います。

木原さんはポーカー界で長年最前線を走り続けておられる方というのは皆さん知っての通りかと思いますが、実際にお話させていただくと、とにかくポーカーが好きだということが伝わってきて、楽しい思いをさせていただける方です。

そういった私のイメージが影響している部分もあるかとは思いますが、今回の木原さんの記事の内容を意識することで、ただ上達するだけではなく、ポーカーというゲームの理解が深まり、もう一段回楽しめるレベルが上がるのではないかと思いました。

思考方法から学習方法というトピックに立ち戻ると、優れた学習方法とは、つまるところその人が続けられる学習方法ということになるのではないかというのが私の意見です。もちろん最低限の学習効率という部分をクリアしている、というエクスキューズはつくわけですが、息切れして脱落してしまっては元も子もないし、楽しいという事を忘れてしまってはやがて手が遠のいてしまいます。

この私の記事では、初心者がレンジを意識したプレーを体得するまでの間に陥るギャップに私自身がいた時に、どういう事を考えていたかについてまとめてみました。木原さんのメソッドよりも優れたものであるというわけではありませんが、別の見方として一つ道具箱の隅に置いてくださり、このゲームを理解するとっかかりとして役立つならば幸いです。

この発想は私がソルバーで本格的に学習を始める前によく使っていた方法で、Snowieから着想を得ています。

バリューベースで考える

まずは相手のハンドをそのプレーラインから4つのカテゴリに分類します。

Strong
Medium
Weak
Trash

そして、相手のラインがどの強さを主張しているのかを考えます。

e.g.
”相手のxr率は非常に低い。このフロップレイズはかなりStrongなハンドに違いない”

発展としては、それらをどう混ぜているのか考えます。

e.g.
”相手は小さいCBを打ってきた。これは全てのカテゴリが含まれそうだ。とりあえずこちらはWeak以上で全部守ろう”
”相手はターンで大きいセカンドバレルを打ってきた。これはStrongとWeakに含まれるドローがありそうだ”

たったこれだけです。これなら実戦中でもそこまで難しくないのではないかと思います。

余裕があれば、相手のラインから強さのカテゴリを判断し、どういったハンドが含まれているのかを具体的に考えることになります。

この考え方では前提としてハンドの強さの分類が必要ですが、イメージとしてはStrongがTPTK以上、Mediumがセカンドヒットやハイカード以下のポケット、Weakが弱いペアやドロー、Trashがワンオーバー以下のハンドといったように直感的な分類で構わないと思います。

これらを組み合わせて考えていきます。

e.g.
”この相手は典型的なTAGだ。強いハンドとドローでしっかりバレルを打ってくる。リバーはドローが完成するカードが落ちて更にベットしてきたから、ブラフは少なそうなのでフォルドしよう”
”この相手は弱いハンドでショーダウンしたがるタイプだ。ここまでxでまわったから相手に強いハンドはほぼないし、Trashでブラフしてみよう。トラップはあるかもしれないけど、レイズには簡単にフォルドできそうだ”

さらに、相手のハンドが弱い、あるいは強いと判断をつけられるようになると、バリューベットを小さい額で打つのか、あるいは大きな額で打つのかという発想が自然と出てくるかもしれません。こうして相手のプレー傾向からエクスプロイトしていく事ができるようになっていくのではないかと思います。

e.g.
”フロップでBTNからワンオーバーで小さくCBを打ってコールされた。ターンは諦めてxバックしたけど、リバーで偶然TPになったぞ。相手はフロップはコールしてきたけどリバーもxしてきたから、ハンドはMediumかWeakのヒットあたりかな。ここは小さめにベットしてバリューを取ろう”

ここまでは実戦で考えるレベルです。さらに細かくどういったハンドがあるのかについては、卓外でしっかり考えます。

理解が進むと、あるカテゴリにいくらか別のカテゴリのハンドを混ぜなければならないということに気づくと思います。WeakかTrashでしかない、という主張をせざるを得ないときには、いくらかStrongハンドを混ぜてごまかす必要性があることを実感するのではないでしょうか。

これがバランスを取るということです。

卓外の検討では、しっかりと具体的なハンドを考え、可能ならどういったコンボがどれくらい含まれているのか数えます。そうするうちに、思ったよりも相手に主張できるコンボがないことがわかったり、逆に弱いと思っていたラインにたくさん守れるコンボが含まれていたりということがわかると思います。

さらに発展して、相手がMediumと思われるハンドをStrongのように使ったりしているのを見たら、その特徴を理解して次に活かせるように準備しなければなりません。キッカーの弱いKヒットのTPでドンクしてくる相手にきちんと対応できるでしょうか。セオリーから外れた相手をフィッシュと呼ぶだけではポーカーは上達しません。

このように、実戦ではある程度抽象的に考えておき、座学に際して具体的に考えることで、ゲームへの理解が徐々に深まるのではないかと思います。コンボを数え上げて正確なEQを求めるといった作業を常に実戦中に行うのは現実的ではありませんが、それに準ずることはできるはずです。

この思考法がなんらかの助けになるようであれば幸いです。

頻度ベースで考える

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