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プロデューサーのファンが「フィラメント」を聴いて

The Songbardsの新曲「フィラメント」を聴いた。

聴いたきっかけは、「藤巻亮太さんをプロデューサーに迎えた曲」と知ったから。藤巻さんのファンとして、どんな曲ができあがったのかが気になった。

聴いた結果、Twitterでは収まりきらないほど、思うことが色々あったので、noteに書き出すことにした。

「フィラメント」について思うこと

リリース前日のインスタライブも見に行ってみた。そこでは、「前情報無しで聴きたい人もいるだろうから」という理由で、曲についてあまり詳しくは話していなかった。
ということで、ここからは、曲の前情報無し、The Songbardsの情報ほぼ無しの、私の好き勝手な感想。ファンからしてみればトンチンカンなことを言っているかもしれませんが、どうかお手柔らかに…🙏w

「フィラメント」を聴いた感想

まずは「フィラメント」の曲そのものの感想から。結論から言うと、めーーーーーっちゃ良い曲!!!The Songbardsの曲を聴いたのは初めてだったけれど、ド好みだった。

「フィラメント」を聴く前に、Vo.&Gt.の上野さんが、この曲についてツイートしているのを見た。
「誰かと一緒にいる時は少しでも明るくいたいという気持ちを込めて作った曲」
と書かれていた。だから聴くまでは、「明るい曲なんだろうな」と思っていた。

しかし、実際に聴いてみたら…とても切ない気持ちになった。大切な人との別れを描いた曲だと思ったから。

大切な人と、違う道に進もうとしていたり、時の経過とともに価値観がズレ始めたりして、「ああ、今まで共に過ごしてきたこの人とも、お別れする時が近づいているんだな」と感じることってあるじゃない?
私が「フィラメント」を聴いて思い浮かべたのは、まさにそんな状況だった。

別れというのは、基本的には悲しいものだと思う。
でも、この曲は「お別れするのが悲しいよ~」みたいな、ネガティブな気持ちを描いたものではない。
今までに過ごしてきた時間や、別れまでに残された時間を、大切にしたい。そんな前向きな気持ちが、この曲には表れているように感じた。

だから、私が当初「明るい曲」と解釈した上野さんのツイートも、もしかしたら
「別れが近づいている大切な人と、一緒に過ごせる残りの時間は、少しでも明るくいたい」
という意味だったのかもしれないと、曲を聴いた後に思った。

では、前向きな気持ちを描いているから、明るい曲なのかというと、やはりそうではない。明るさはもちろんあるけれど、聴いていて悲しくもなる。
それは、「明るくいたい」という前向きな気持ちの土台に、別れを悲しむ気持ちがあるからだろう。
「お別れかぁ。じゃあ明るくいよう!」
ではなくて、
「お別れかぁ。悲しいな。でも、一緒にいられる時間は、悲しみながらではなく、明るく過ごしたいな。」
なんだよね。

あくまでも、「明るく過ごしたいな」の部分を切り取って表現しただけであって、別れを悲しむ気持ちは、確実にそこにある。

さらに言えば、そうやって別れの悲しみをあまり直接的には描いていないからこそ、逆にそこに色々と想像を巡らせてしまう。
だから、聴けば聴くほど、切ない気持ちが大きくなっていくんだろうなぁ。

大切な人だからこそ、別れを悲しむ気持ち。
大切な人だからこそ、別れまでの時間を明るく過ごしたい気持ち。
そんな、一見正反対な気持ちを同時に併せ持つ、人の心の複雑さや不安定さが感じられる曲だと感じた。
好き!

The Songbardsの状況と「フィラメント」

今月のライブをもって、Ba.の柴田さんはThe Songbardsを脱退されるそうだね。
つまり「フィラメント」は、柴田さんを含めて収録した最後の曲、ということだ。

何度か聴いているうちに、「フィラメント」という曲と、「柴田さんの脱退」という状況が、頭の中で繋がってきた。

脱退発表時の、柴田さんのコメントも読んでみた。
「達成したい目標や思いのために、新たな道に進む」と。

目標を持ち、新たな道に進む覚悟を決めた柴田さんを、The Songbardsに残って見送る3人。
そんな彼らの状況を、どうしてもこの曲に重ね合わせて聴いてしまう。実際のところ、脱退をふまえて作られた曲かどうかは分からないけどね。

とにかく、ただでさえ切ない気持ちにさせられる曲なのに、The Songbardsの状況を思って聴くと、「別れ」をより高解像度で想像してしまうんだよ。
エーン…心が爆発しそう…

柴田さんの脱退をリリース前日に知り、「フィラメント」で初めてThe Songbardsの曲を聴いた私でさえ、こんな状態だ。
以前からのファンなんて、もっともっと胸が締め付けられるような思いだろうな…。

藤巻さんのプロデュース

インスタライブでは、藤巻さんとの楽曲制作の様子についても話していた。

「バンドメンバーで、話し合ってアイデア出しをする状態に近かった。」
とか、
「音楽的にどうこうじゃなくて、実際にスタジオで鳴らした音を聴きながら『こっちの方がかっこいいんじゃないか』と提案してくれたりしたのが、良かった。」
とか。

藤巻さんがプロデュースした、という話を知った時、藤巻さんがプロデューサーとしてどのようなことをしたのか、全く想像できなかった。
でも、The Songbardsの皆さんの話を聞いて、少しイメージもできたし、藤巻さんらしい、素敵なやり方だと思った。

藤巻さんは、今年の1月にアルバム「Sunshine」をリリースした。表題曲「Sunshine」について、たしか藤巻さんはこんな話をしていた。

大人になるにつれ、色々な価値観に触れ、それを取り入れてきた。でも、時にはその価値観に惑わされてしまうこともあった。
自分にとって、その価値観は本当に必要なものなのか?自分にとって、一番大切なものは何なのか?と、この歳になって改めて考えた。すると、「音楽って楽しいな」「この人と音楽ができて嬉しいな」という、シンプルでピュアな気持ちが、19歳で初めて曲を作った時から変わらずあると、気づくことができた。
「Sunshine」では、そんな気持ちを書くことができた、と。

「フィラメント」をプロデュースしたのは、おそらく藤巻さん自身が、音楽を楽しいと感じる純粋さに立ち返ったタイミングでのこと。
だからこそ、スタジオで一緒にコードを弾いて、実際の音を聴いて、良いと感じたものを大事にするという、ピュアで距離の近いプロデュースをしたのかもしれないなぁ、と思った。

上野さんは、藤巻さんのプロデュースを通じて「純粋さを学んだ」と言っていた。
今の藤巻さんが大切にしたいと思っていることは、きっと彼らにしっかりと伝わったんじゃないかな。

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