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[英詩]Bob Dylan, 'This Dream of You'

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

英詩のマガジン の本配信、今月3本目です。歌われる詩の2回めです。今回は、ボブ・ディランのアルバム 'Together through Life' (2009年、下) に収められた 'This Dream of You' です。

Bob Dylan, 'Together through Life' (2009)

録音は2008年10月 (Dave's Room, Hollywood, California)。録音エンジニアは David Bianco. プロデユーサは Jack Frost (Bob Dylan).

次の参加ミュージシャン。

Bob Dylan - vo, g
Mike Campbell - g
David Hidalgo - accordion
Donnie Herron - violin, steel g
Tony Garnier - upright b
George G. Receli - ds

(vo: vocals, g: guitar, b: bass, ds: drums)

本歌は、このアルバムでは唯一ボブ・ディランが単独で書いた歌です。他はすべて共作。

共作には適さない何かがあったのでしょうか。あったすれば、それはどのような点でしょう。興味がつきない歌です。

参考文献 は、文字数の関係で別の note にあります。

カーウォウスキの本は Karwowski, Michael. 'Bob Dylan: What the Songs Mean' (Matador, 2019) です (下)。

Michael Karwowski, 𝐵𝑜𝑏 𝐷𝑦𝑙𝑎𝑛: 𝑊ℎ𝑎𝑡 𝑡ℎ𝑒 𝑆𝑜𝑛𝑔𝑠 𝑀𝑒𝑎𝑛 (2019)

※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(202204)」へどうぞ。

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英詩の実践的な読みのコツを考えるマガジンです。
【発行周期】月3回配信予定(他に1〜2回、サブ・テーマの記事を配信することがあります)
【内容】〈英詩の基礎知識〉〈歌われる英詩1〉〈歌われる英詩2〉の三つで構成します。
【取上げる詩】2018年3月からボブ・ディランを集中的に取上げています。英語で書く詩人として新しい方から2番めのノーベル文学賞詩人です。(最新のノーベル文学賞詩人 Louise Glück もときどき取上げます)
【ひとこと】忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスになります! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介し、考えます。▶︎英詩について、日本語訳・構文・韻律・解釈・考察などの多角的な切り口で迫ります。

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🔶 This Dream of You

次のボブ・ディランの詩テクストはリクスらの校訂版による。

動画リンク [Bob Dylan, 'This Dream of You' (Official Audio)]


This Dream of You
Bob Dylan

🔷1連

How long can I stay in this nowhere café
'Fore night turns into day
I wonder why I'm so frightened of dawn
All I have and all I know is this dream of you which keeps me living on

(注)
'Fore = before (詩語)
dream of この dream は名詞だが、 動詞の dream で dream of は「〜を夢に見る」の意。前置詞 of は目的格「〜を」を表す。例—— the love of God「神を愛すること」(「神の愛」を意味することもあるが、その場合は God's love のほうが普通); the fear of God「神を恐れること」; the love of nature「自然を愛すること」; a painting of the king「王様を描いた一枚の絵」; the ringing of bells「鐘を鳴らすこと」; take care of one's health「体に気をつける」

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