[英詩]Bob Dylan, 'Brownsville Girl' (1)
※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。
英詩のマガジン の本配信、今月3本目です。歌われる詩の2回めです。今回はボブ・ディランのアルバム 'Knocked Out Loaded' (1986年、下) に収められた 'Brownsville Girl' です。劇作家の Sam Shepard との共作です。
かつての恋人、謎の 'Brownsville Girl' への想いを、映画への言及を織り交ぜつつロード・ムービーのように物語る本歌は、ボブ・ディランの傑作のひとつとされています。
録音は1984年12月6, 10, 11日 (Cherokee Studios, Hollywood, California)。オーヴァダブは 1986年4月30日、5月1-2, 16, 19-20日 (Topanga Skyline Studio, Topanga, California)。プロデユースは Sundog Productions. サウンド・エンジニアは George Tutko (Cherokee) と Britt Bacon (Skyline)。
ミュージシャンは次の通り。
Bob Dylan - vo, g
Ira Ingber - g
Vince Melamed - kbd
Steve Douglas - sax
Steve Madaio - tp
Carl Sealove - b
Don Heffington - ds
Carolyn Dennis, Madelyn Quebec, Elisecia wright, Queen Esther Marrow, Muffy Hendrix, Peggi Blu - backing vo
(vo: vocal, g: guitar, kbd: keyboard, sax: saxophone, tp: trumpet, b: bass, ds: drums)
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今回は詩テクストをリクス校訂版に準拠して考えてみます。コーラスをのぞき17連ある長い歌なので数回に分けて扱います。
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参考文献 は、文字数の関係で別の note にあります。
※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(202010)」へどうぞ。
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【内容】〈英詩の基礎知識〉〈歌われる英詩1〉〈歌われる英詩2〉の三つで構成します。
【取上げる詩】2018年3月からボブ・ディランを集中的に取上げています。英語で書く詩人として最新のノーベル文学賞詩人です。
【ひとこと】忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスになります! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介し、考えます。▶︎英詩について、日本語訳・構文・韻律・解釈・考察などの多角的な切り口で迫ります。
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まとめ
ボブ・ディランの 'Brownsville Girl' は、映画 'The Gunfighter' (1950) の Gregory Peck への言及をおりまぜつつ、なぞの恋人への思いをロード・ムービーのように物語る傑作。
動画リンク [Bob Dylan, 'Brownsville Girl' (Official Audio)]
原詩+注+日本語訳+韻律+解釈
Brownsville Girl
Bob Dylan
1連
Well, there was this movie I seen one time
About a man riding across the desert and it starred Gregory Peck
He was shot down by a hungry kid trying to make a name for himself
The townspeople wanted to crush that kid down and string him up by the neck
(注)
1 movie ディランは題名を挙げないが、まちがいなく西部劇映画の 'The Gunfighter'「拳銃王」(1950, 下) であると言われている。監督 Henry King で主演が Gregory Peck (Jimmy Ringo 役)。
動画リンク ['The Gunfighter' trailer]
2 desert 映画冒頭で騎乗の男が砂漠を横切ってゆく
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