[書評] 神岡 建氏の最初の著書
神岡 建氏の最初の著書(2012)は、氏の全5冊の著作すべてに言えることであるが、持っているだけでも貴重な本
神岡 建氏の著書は全部で5冊しかない。手に入るうちにすべて手に入れて持っておくほうがよいのは、今の時代ほど、氏の著作が必要な時はないと思えるからだ。[どれか1冊という向きには、下記の3の改定新装版が比較的やさしい内容でおすすめします。]
神岡 建氏の著作は次の5冊だ。
1.アセンション大預言(2012)
2.アセンション大預言Ⅱ(2013)
3.魂のすごい力の引き出し方 (豊かさと健康と幸せを実現する)(2015/改定新装版2021)
4.魂のすごい力の引き出し方【高次元への上昇】編(2019/改定新装版2022)
5.新型コロナウイルス 私のサイキックな闘い方(2020)
このうち4の改定新装版が2022年刊で、一番あたらしい。
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本書に関しては、〈表紙をただ眺めているだけでも効果があり、「ひふみ神示」同様、”エネルギー本”になっています〉とのことだ(252頁)。
評者は読了した本はグラシンペーパでくるみ保管することにしているが、本書に関してはそうすると表紙の青と緑の光が見えにくくなると思い、まだそのままにしている。保管用に透明度の高いものがないか探してみよう。
なお、3と4のオリジナル版のほうはKindle版も出ているが、そちらは”エネルギー本”ではないかもしれない。これは、すべての電子書籍がそうだということではなくて、神岡本に関してはそうではないかと思われる(紙冊体のほうがよいということ)。評者は外出する時は必ず神岡本をお守りとしてリュックに入れている。もちろん、少しづつ読むのだが。
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本書の表紙だが、國末千加さんによるカバーデザインとのことだが、よく見ると不思議な絵だ。みどりの地球を背景に青い水面が見え、船頭を入れて7人くらいの人が乗った船が前景に描かれる。あきらかに日本人に見えるが、どこかノアの箱舟のような、洪水後の世界を思わせる。
この表紙を眺めるだけで効果があるというのは、おそらく、洪水後の世界へと移行することを意識の底に植えつける効果があるのだろう。本書では洪水に相当するのが〈アセンション〉だ。
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〈アセンション〉を迎えるのは一種の危機の状況だが、それを乗り越えるにはどうしたらよいのか。その具体的な方法や指針を丁寧に親切に解き明かしたのが本書である。そのことは、氏の著作すべてに共通する。
魂のしくみと、魂を大きくする方法をくわしく述べることに本書は集中している。〈アセンション〉とは何かなどの議論は、続く『アセンション大預言Ⅱ』に出てくる。
魂を大きくする方法を正面から書いた本はめずらしい。
その内容は、知る限りでは類書がなく、したがって、理解するのはかなり難しい。著者が霊視したありさまを、図解入りでくわしく説いてあるが、一読してぱっとわかるような内容ではない。繰返し繰返し読みながら、少しづつ理解を進めてゆくほかない。
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魂の光が本書のテーマだと書いてある(第1章第4節、21頁)。読み始めたひとは人間の話だと思って読むだろう。
ところが、動物にも頭に魂の光があるという(第3章第1節、53頁)。〈動物も、私たち人間と全く同様、神様が個別化している存在なのです〉(53頁)と。ただし、人間の場合は二重構造の光の玉の魂だが、動物の場合は二重構造の魂ではない。
ここにさらっと記された〈神様が個別化している存在〉が難しい。評者は著者の本は4冊くらい読んでいるが、まだこの概念がよく分らない。頭ではこうだろうと思い描くことはできるが、なるほどこういうことなのだと心の底から実感するのが難しい。
〈神様の個別化〉とは、陰と陽とに関る言葉〈多様なものが存在するこの世界をつくり出すために、神様は陰と陽に姿を変えて、それらで出来た自我意識というパーティションによってご自分を多くの存在に分断されているように見せかけ、多様な世界をお造りになっているのです〉につながるのではないかとも思える(57頁)。
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魂を大きくする方法を説いた第4章に〈聖なる七つの指針〉が書いてある。これは、著者が神様に〈人間が生きていく上で最も大切なことは何でしょうか〉と問うたときに、間髪を入れず「七つあります」と答えが返ってきたものだ。
魂の光を強く大きくし、良い人生に変えるために、これらの七つの指針はヒントになる。
項目だけを抜出すので、具体的内容が気になる方はぜひ本書に当たっていただきたい。
1.神への愛
2.奉仕をすること
3.生き物を殺さないこと
4.真実を語ること
5.心を(調和的な方向に)手なづけること
6.肉体に執着しないこと
7.全ての行いを神に捧げること
第4章には他に〈祈る〉〈悪感情を浄化する神我の瞑想〉〈カルマの浄化〉〈清らかな食べ物〉〈神仏への愛を歌う〉〈ご先祖様への愛と感謝を捧げる〉が説明されている。
いつ来るか分らない災難にそなえて備蓄がよく推奨されるが、備蓄する食べ物についても、上記の〈清らかな食べ物〉の観点を忘れずにいたいものだと痛感する。
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第3章「魂とは何か」の第9節に「魂どうしは対立しない」という興味深いことが説かれている。
およそ人間社会には対立や争いが絶えないが、それは、著者によれば、〈人間に自我意識があるから〉だという。つまり、対立は自我意識がつくるということだ。
ところが、本当は胸には奥深いフィーリングが存在していることを私たちは知っている。神様の分身がおられることに気づくとき、神様の光に心の中でつながるのだ。そのことを著者は次のように述べる。