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[英詩]Mary Freemanを読む(2, simile)

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引続き、Mary Freeman の 'Bob Dylan's Command of Metaphor and Other Essays' (2020) (下) について少しふれてみましょう。詩の要諦ともいえるメタファを扱った本ですが、今回はひろく比喩について考えます。[前回は 'Sad Eyed Lady of the Lowlands'の聴取り を扱いました。]

Mary Freeman, 'Bob Dylan's Command of Metaphor and Other Essays'

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simile

フリーマン (Mary Freeman) は次のように述べる。

Dylan's simile is powerful.
ディランの直喩は強烈である。

直喩(simile)とは、like や as を用いて「〜のように」と述べる比喩表現だ。隠喩(metaphor) が like や as を用いないのとは対照的。

ここでフリーマンの念頭にあるのは 'Masters of War'. 前回述べたように、このころ(本書執筆は1969年)は歌詞が出版されておらず、研究者は聴取りに基づく詩を対象に研究をおこなっていた。

その場合、問題点はある。詩の分析に関していえば、詩行の構造の要諦は行と連である。その2つとも、聴取りのみでは分らない。ゆえに、その面での分析は、やったとしても不完全である。

詩行の構造が分らなければ、韻律の構造も決めようがない。したがって、韻律の分析も不完全になる。

では、なにができるのか。できるとすれば、比喩の研究である。その点で、フリーマンの研究は、研究材料の性質に見合っている。


Masters of War

フリーマンは 'Masters of War' の次の箇所を引く。今日知られているテクストとは大幅に詩行の構成が違うのは上の事情による。

But I see through
your eyes and I see
through your brain
Like I see through
the water that runs
down my drain

この直喩について3つのことが言えるという。

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