[英詩]Bob Dylan, 'Every Grain of Sand'
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英詩のマガジン の本配信、今月2本目です。歌われる詩の1回めです。今回はボブ・ディランのアルバム 'Shot of Love' (1981年、下) に収められた 'Every Grain of Sand' (「 エヴリィ・グレイン・オブ・サンド」)です。
録音は1981年4月29日 (オーヴァーダブ 5月31日、Clover Studios, Los Angeles, California)。
'Every Grain of Sand' はボブ・ディランの傑作の一つとされ、キリスト教改宗期の 'Chimes of Freedom' に相当するとも言われます。時事的な問題を扱うことから離れ、ランボーからバローズに至る影響のもとに詩をつくる機会を得たという意味で、ソングライティングの世界ではユニークなものであると、マルゴタンらは指摘します。
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U2 の Bono は本歌について次のように発言しています。
It's like one of the great Psalms of David.
この歌はダビデ王の偉大な詩篇の一篇のようだ。
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ディランはこの歌を一気に書いたと主張しています。それに関し、次のように述べています。
That was an inspired song that came to me. It wasn't really too difficult. I felt like I was just putting words down that were coming from somewhere else, and I just stuck it out. ('Biograph')
あの歌は霊感に乗ってやって来た。苦労もなかった。どこからか、やって来た言葉をそのまま書きとめている気分で、最後までそれを貫いた。
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リクスの校訂版によりこの歌を考えてみます。
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参考文献 は、文字数の関係で別の note にあります。
※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(202007)」へどうぞ。
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【内容】〈英詩の基礎知識〉〈歌われる英詩1〉〈歌われる英詩2〉の三つで構成します。
【取上げる詩】2018年3月からボブ・ディランを集中的に取上げています。英語で書く詩人として最新のノーベル文学賞詩人です。
【ひとこと】忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスになります! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介し、考えます。▶︎英詩について、日本語訳・構文・韻律・解釈・考察などの多角的な切り口で迫ります。
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まとめ
ボブ・ディランの 'Every Grain of Sand' は、傑作の一つとされ、霊感を受けて流れるように詩行が綴られる。信仰上の苦悩が、特に4連と6連とに見られる点でも、旧約聖書の詩篇に似る。
動画リンク [Bob Dylan, 'Every Grain of Sand' (Rehersal) (Official Audio); (画面右下群の左端に歌詞表示ボタン)]
原詩+注+日本語訳+韻律+解釈
Every Grain of Sand
Bob Dylan
1連
In the time of my confession, in the hour of my deepest need
When the pool of tears beneath my feet flood every newborn seed
There’s a dyin’ voice within me reaching out somewhere
Toiling in the danger and in the morals of despair
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