見出し画像

命がけの翻訳(GBC)/関連文献/年表

マリア・マグダレナの福音書(GBC)をめぐる文献と年表について書いてみたい。


GBC の翻訳

世の中には命がけの翻訳もある。

マストロヤンニ氏の動画

マリア・マグダレナに関して自分の好きな本を挙げる YouTube 動画を見た。そういう本を探している人は一見の価値がある。

Carlotta Mastrojanni, 'My Favorite Magdalene Books'

Carlotta Mastrojanni, 'My Favorite Magdalene Books' (2024)

マリア・マグダレナ関連書 8冊

この動画で、Carlotta Mastrojanni さんはマリア・マグダレナに関連して自分の好きな本を数冊挙げる。

  1.  Claire Heartsong, 'Anna, Grandmother of Jesus' (2002)

  2.  Kathleen McGowan, 'The Expected One' (2006), 'The Book of Love' (2009), 'The Poet Prince' (2010)

  3.  Anne and Daniel Meurois-Givaudan, 'The Way of the Essenes' (1992) [original: 'De mémoire d'Essénien, tome 1 - L'autre visage de Jésus', 1984 (1989); cf. 'tome 2 - Chemins de ce temps-là', 2008]

  4.  Lars Muhl, 'The Law of Light: The Secret Teachings of Jesus' (2014)

  5.  Jehanne de Quillan, 'The Gospel of the Beloved Companion' (2010)

  6.  Meggan Watterson, 'Mary Magdalene Revealed' (2019)

  7.  Seren and Azra Bertrand, 'Womb Awakening' (2017)

  8.  Clark Strand and Perdita Finn, 'The Way of the Rose' (2019)

マストロヤンニ氏のGBC観

このうち、5 (GBC) について、Carlotta さんは、著者は〈 マリア・マグダレナが(フランスに)到着して以来数百年間きわめて隔離されてきた情報を命を賭して出版したものであり、それゆえ読めることがまことに貴重な本であると思う〉('Jehanne de Quillan risked her life to publish this information which has been kept very insulated for hundreds of years since Mary Magdalene arrived and so I think it's just a very precious book to read')と述べる。〈わたしには本物の宝物のように感じられる〉('and so this to me really feels like a treasure')とも。

さらに、この GBC という文書は、聖家族がパレスティナからフランスへと移って以来の代々の血統で守られてきた文書を直接に翻訳したものであると、そしてその血統については、2の McGowan 三部作で知ることができると述べる。

マガウアン三部作

この McGowan 作品は、大手出版社からの出版時に小説として出すことを求められたためにそういう形式で出版されているが、真実が含まれていると考えられる。

その第一作 'The Expected One' (2006) が出てから数年後(2010)に GBC が出たのは、ひょっとすると、背中を押した部分もあるのかもしれない。

フランス到着まで

マリア・マグダレナがフランスに到着したのはいつのことだろうか。おそらくは、イエスが十字架刑に処せられてからほどない時期であると察せられる。ということは、後30年頃からそれほど経っていない時ではないか。

GBC には、GBC がアレクサンドリアからラングドク(当時はローマ帝国ガリア)にもたらされたのは1世紀初めから1世紀半ばのことと書いてある。


年表

ここで、本題からはそれるが、GBC をめぐる関連文書の年代を少し見ておこう。現時点では、推測が多く含まれるので、将来、変わるかもしれない。以下、年代はすべて紀元後。

  • GBC     1c初め-半ば頃

  • Q       50-70年頃

  • トマス     60-250年頃

  • エフェソ    60-65年頃

  • マルコ     70-80年頃

  • マタイ     80-90年頃

  • ルカ      80-90年頃

  • ヨハネ     100-125年頃

  • ユダ      2c半ば頃(コプト語)

  • フィリポ    3c頃(コプト語)

パウロ作とされる書簡群のうち、エフェソだけを挙げてあるのは、GBCのあるギリシア語がエフェソに出てくるからである。このことは、GBCがエフェソから遠くない同時期に書かれた文書であることを示す。


関連書評

関連した書評を少し挙げておく。

#GBC #マリアマグダレナ #福音書 #ギリシア語 #南仏

いいなと思ったら応援しよう!