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ドイツ生活 627日目 2024/12/2 引っ越さなければならなくなった!
ミュンヘンから帰りのバスは隣におじさんが座っていて少しいびきがうるさくて全然寝れずに朝7時にザールブリュッケンに到着した。
小雨が降っていてちょっと暗くて真夜中みたいな雰囲気だが、駅近くのオフィスではもう灯がついていて働き始めている人たちが見えた。
日曜日の夜遅くまでミュンヘンで遊んで、月曜日の朝にはザールブリュッケンに戻ってこれるなんて、高速バスはすごい!と思った。
ちょっと眠かったので仕事に行く前に家のソファで1時間ほど寝ることにした。
家に帰った時、バイオリニストのルームメイトが住んでいた部屋が家具以外全部空っぽになっていて靴棚もキッチンの棚もルームメイトのところは全部空になっていたのがショックだった。
私がミュンヘンにいた時に退去したのだ。
出社したら、なんと育休上がりの女性が体調不良で月曜火曜休みで、同僚がコロナ陽性で今週まるまる休みらしい。
同僚は体調不良で休み過ぎじゃないか?と一時期思ったことがあったが、でも自分が病院に行きたい時は途中で抜けて行くのもOKだし、みんなお互い様だよねという雰囲気なのがありがたい。
そして家に帰ってミュンヘン旅行の荷物の整理をしていたら、家主が帰ってきた。
家主が私の部屋のドアをノックした。
ドアを開けたら家主が
「ハーイ!ミュンヘンはどうだった?今時間ある?キッチンでお茶でも飲んで話さない?」と言った。
一気に手のひらが汗で湿って、心臓がドキドキしてきた。
「いいよ!」と答えて、意味もなくスマホをいじった。
ルームメイトにメッセージを送ろうと思ったけど、話の内容がまだわからないし話を聞いてからにするかと思ってやめた。
何の話だろう。
私も来月末出ていかないといけないとか、
ルームメイトがいなくなった分家賃を値上げするとか、
電気代の話の続きとか、思いつくのはそれくらいだ。
そしてドキドキしながらキッチンに行って、お湯を沸かしてお茶を淹れた。
家:ミュンヘンはどうだった?
私:楽しかったよ!ベルリンやケルンやハンブルクなどの大都市よりも道が広々としていて綺麗で、歩いているだけで楽しかった!
家:そう…よかったわ…。それで、言わないといけないことがあるの。
私:私も出ていかないといけないとか?
家:いや、違うの、というより、私が出て行きたいの。
私:え!?
家:あなたもわかると思うけど、バイオリニストのルームメイトと問題があったでしょう。それですごくストレスが溜まってしまって、私は仕事でも責任あるポジションだし、家でリラックスできないのが辛くなったの。新しいルームメイトを募集して、またこのルームシェアを続けて、、っていうのをもう辞めたくなったの。
私:ああ、そういうことか。大変だったね。あなたの気持ちはわかるよ。
家:あなたにも申し訳ないし、バイオリニストにも申し訳ないわ。私はあなたと話すのは楽しいし、一緒に住むのは楽しかったの。ただ、バイオリニストの子とは本当にうまくいかなかったの。
私は書類手続き人間じゃないの。全部口頭で話して、お互いが納得したらそれでオッケーという感じなの。けどバイオリニストは全部書面に残したがるでしょう。回答期限を提示してきたり、何度も返事を要求してきたり。そういうのも含めて合わなかったの。
私:(心の中の声)いやそりゃ私たちは家族でもカップルでも友達でもない他人で外国人同士なんだから、お金に関することは全部書面に残して署名して初めて確定させるのが当然でしょ…
私:そうだったんだ、それは残念だったね、、。それでいつまでに出ていかないといけないの?
家:1月31日よ。あなたが2月上旬から3月上旬まで日本に行くって聞いたから、その前に全て済ませたほうがいいと思って。
私:もう解約したの?それともこれから?
家:もう今日解約してきたの。
私:(心の中の声)解約する前に相談しろよ!
私:そうなんだ、後2ヶ月弱か、、部屋が見つかるといいな。クリスマスと年末年始の休暇があるから引っ越しシーズンじゃないからね。まあなんとかなるか。家具とかは次の賃借人にあげたり売ったりできそうなの?
家:家は空っぽにして出ていかないといけないの。キッチンも。家のオーナー(本当の家主。私がずっと家主と呼んでいる人は実際は「主要賃借人」だ)の家族が遺産相続で揉めていて、この家をどうするかまだ決まってないみたい。だからひとまず私たちが出て行くときは空っぽにして出ていかないといけないの。
私:家具もキッチンも雑貨も全部、となるとかなり大変だね。とにかく今日から家具はネットに投稿して引き取り手を探さないとね。あなたはどこに住むの?
家:私は一人部屋を探すわ。私は元々デジタルノマド(パソコン一台で世界のいろんな場所で働く人のこと)なの。だから小さい部屋でいいの。
あなたがこの家で気に入った家具があったら、持っていっていいよ。ちょっとお金はもらうけど、そんなに取らないわ。机、ベッド、椅子、欲しいものある?
私:ありがとう。まずは家を探して、その家が家具付きかどうかによるかな。まずは家を探さないと。
家:あなたはまたルームシェア?それとも一人で住みたい?
私:ルームシェアかな。滞在許可も雇用契約も一年だから普通の家を契約するのはちょっとリスクがあるし。それに私はザールブリュッケンで一人で友達も家族もいないから、ルームシェアの方が寂しくなくて気に入ってるんだ。一人で住めばもちろんトラブルはゼロだけど、その分寂しいし経験も積めない。ルームシェアはトラブルが付き物だけど、一人で住んで何も経験しないよりいいかなって。
家:なるほどね。確かにルームシェアは必ずコミュニケーションや妥協が必要になるからね。私は全然そういうの嫌じゃないの。ただ、バイオリニストは私に何か要求するたびに、一緒に問題を解決しようみたいな態度じゃなくてすごく攻撃的だったの。「これをやらなかったら家賃の値下げを要求する!」みたいな。言い方が良くないっていうか。
私:(心の中の声)いや最初はすごく優しかったよ。けどあなたが話し合いを避けて問題から逃げ続けたからバイオリニストもイライラしてきて強い態度に出ざるを得なかったんだよ。
私:そうだね、言っていることは正しくても言い方次第で変わるからね。彼女はドイツの別の都市で賃貸人として家を貸している経験があるから、法律とかルールとか税金のことに詳しいからね。私たちにとっては大したことなくても、彼女にとっては改善しないといけない問題だったんだろうね。
家:そうね、、。とにかくそういうことだから、よろしくね。
そんなこんなで、家主は一月末付けで家を解約した。
それに伴い私も出ていかなければならなくなった。
私は表面上家主とは仲良さげにやっているのでルームメイトほどのトラブルはなかったが、それでももう信頼関係はない状態だったので遅かれ早かれいつか出て行きたいとは思っていたのでいい機会だと思う。
問題なのは今の時期がクリスマスとガッツリかぶっているので入居者募集中の物件が多くないことだ。
けど2ヶ月くらいあるし、なんとかなるだろう!
余っていたグアンチャーレと野菜と、イギリス人のルームメイトが置いていったパスタを入れてスープを作った!
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