オリエンテーション3日目、衝撃の学部説明会
8月28日 晴れ
今日はタリン大学留学生オリエンテーションの三日目。午前中は特に何も予定されていないが、午後に交換留学制度の説明と我が教育学部の説明会がある。
日課の朝の散歩から帰ってくる。ほぼ昨日と同じコースで、フェリー埠頭の突端まで行き、旧市街の外周を早足でまわってきた。フェリー埠頭には僕が今まで見た中で最大級の客船が泊まっていた。中から人たちが少しずつ出てくる。これで一つ謎が解けた気がする。フェリー埠頭自体も素敵なデザインで、そこにおしゃれなレストランやお店があったのだが、こんなところまで来る物好きがいるのかな、と不思議に思っていた。これはこのフェリーが運んで来る人たちのためのものだったのだ。旧市街にも朝早くからバスでたくさんの旅行客が見物に来ていたが、結構多くの人たちがあの巨大なホテルのような客船に泊まっているのだろう。
午後1時半からヨーロッパの大学生・大学院生向けの留学プログラム、ERASMUS+の説明会に参加。エストニア以外の欧州内のほぼ全ての国に短期（二ヶ月未満）あるいは長期（学期もしくは学年ごと）で留学できるし、日本やアメリカも学部ごとのパートナーシップがあれば留学できる。一月から始まる春学期なんかはエストニアが寒いので南欧のどこかに留学したいな、などと夢が膨らむ。ここで教育学部のクラスメート、最初の2人に会う。二人とも留学に興味があるという。
午後4時からの教育学部のインフォメーションセッションまで時間があるので、大学のジムに入会に行く。1学期75ユーロ。サウナもあるので、新しい友人たちと裸の付き合いができるだろう。
午後4時からいよいよ、教育学部のミーティング。顔合わせもあるが、ここでカリキュラムの説明を受け、学生契約（！）に署名する。応募プロセス全般を通じてお世話になってきた、学生担当のサロメに初めて直接お会いする。できるエストニアの女性、という感じ。元々ジョージア人の彼女もこのプログラムの卒業生。今はPhDプログラムに在籍して、今学期は僕たちのクラスの一コマを担当する。ここでいくつか、衝撃の情報が。クラスメートは基本的に最初の2人と僕、それにオンラインで参加したもう1人の4人だけ（？）だ。「カリキュラムはガチガチに固まっていて、選択科目も基本的に必須科目から取ってもらいます。科目は一つでも落とすと再履修になるので、絶対落とさないでください。」僕が成績はどうやって決まるのか、たとえば論文の出来が良いとみんなA＋を取れる可能性もあるのか、と聞くと彼女は鼻で笑って「まあそんなことはないでしょう。そんな易しいものではありません」という。タリン大学教育学部、恐るべし。南欧でゆっくり過ごす、という計画はすでに破綻した。ちなみにタリン大学自体、元々は教育大学でそれに人文とフィルム、デジタル関連などを足していった歴史があり、教育学部は学校の重要な部分をしめる。生息域はキャンパスの最奥のMare棟付近だ。
一旦寮の自室に帰って軽い夕食をとり、8時からの旧市街でのESN（Erasmus
Student Network、欧州インカレ学生組織）の新歓イベントに備える。7時過ぎに盟友（悪友？）のロバートに連絡すると、すでに別の店で飲み始めているのでピックアップに来てくれ、との返事。これも旧市街にあるアイリッシュパブ、Mad Murphy’sで彼と落ち合い、白ビールを一杯奢ってもらう。その場にいた無関係のアメリカ人のカップルをなぜか拾って（？）、新歓イベントの会場であるRuddy Baarに行く。もう店の外まで人が溢れている。誰でも入れるオープンなパーティで、ビールも通常7ユーロが5ユーロに特別に割引されている。僕はここでも一杯飲んで新しい友人たちと会話に花を咲かせる。でもあまりに人が多いので、僕は10時頃に失礼して一人、大学寮に帰って休むことにする。
