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一難去ってまた一難

今日も僕がいる五道口のあたりは朝から晴れている。北京の緯度は40度、岩手か秋田の北の方といった感じで秋の朝晩は結構冷える。

日記を付けるのっていいね。自分の考えが言語化されてよりクリアになるし、思いも強化・増幅される気がする。友人で清華大学のビジネススクールの教授のWから、『今の体験は大事だし、その時々で思っていることって後で見返したくなるから絶対日記付けた方が良いよ』と言われて書き始めた。自分のためもあるけど、誰か、清華大学やコンピュータサイエンス、中国留学などに興味のある人、今はまだ無いけど将来的にあるかもって人たちに参考になれば良いなと思って書いている。あ、あとはリカレント教育かな。勉強って本当にいつでもどこでも出来る。特に最近のオンラインでのE-ラーニングとかは。要はやるかやらないかで、まずは出来ることからやったらきっと良いことあると思う。

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僕の部屋の美的(ミデア)ブランドのコーヒー器は結構働き者で、これで朝に晩に、星巴克(スタバ)の豆でコーヒーを淹れて飲んでいる。アリババのオンラインで89元(1,500円くらい?)で買ったが、商品がキャンパスのどこに届くのかも知らずに四苦八苦したのも、後になれば良い思い出になるだろう。

朝ごはん食べてから僕の午前中をずっと、組合せ理論のOJの宿題に捧げる。OJはオンラインジャッジの略で、プログラムのコードを入力して走らせると結果を自動的に評価する(らしい。と言うのはまだ自分のプログラムを走らせられていないから)。問題は三問あって、最初の問題だけはC++という言語で書くという縛りがある。(後の二問は少しかじったことのあるPythonで良いそうだ。でもこれもまだやっていないが。)最初の問題は単純に組合せの数を計算するというものだが、2,000個の中から1,000個を選ぶ、ということになると桁数がべらぼうに多くなるのでアルゴリズムをよーく考えなければならないし、さらにそれをC++でどう書くか、全く想像できない。でも友人の助けもあるし、頑張ろう。

13:30から第四教室楼の4階でソフトウェアプロジェクトマネジメント(通称SPM)の授業に出る。この授業は既に今学期は単位として履修しないことに決めたが、経験と知識のために聴講する。僕はソフトウェア開発ではないが、プロフェッショナルとしてプロジェクトマネジメントの経験はあるので、張勇教授の言っていることはいちいち良く分かる。授業の中でなかなか面白いスライドがあったので紹介する。

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ソフトウェア開発のプロジェクトチームのマイルストーンの解説だが、JoeというのはCEOでエライ人だから最初しか来ない。で、結局はEricaがプロジェクトマネジャーとして全て責任を取るという設定だ。それでプロジェクト終了間際でユーザーからのフィードバックが不評というのだから可哀想というか、あまりにもよくあるケースで笑える。

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ウォーターフォール式のプロジェクトマネジメントといま流行りのアジル方式の違いも面白い。『何か最近、ATMの基幹システムの調子が悪いんだが、IT予算はけずられ、プロジェクトは早くあげろ、って言われてるんだよね』『だったらアジル方式がおすすめです。納期と予算をきっちり守ります』『よし、だったらそれで発注しよう』。。。『プロジェクト完了しました』『あれ、ATMが動かないんだけど』『はい、アジル方式は納期と予算は守りますが、機能の完遂はお約束できません』『なんと(絶句)。。。』 ありそうな話で怖い。

今日の授業と食事以外の時間の全ては、組合せ理論のOJのダンジョンを当てもなく彷徨うことで費やされたが、やっと光明が見えてきた。ダンジョン脱出の呪文は『10^9 + 7』だった。人間の世界の言葉に直すと、『答えは最後の9桁だけあってれば良いよ』ということだ。整数の大数はコンピュータでも扱うのが難しくて、今回出題されている2,000の階乗を 1,000の階乗で割るような計算は桁数だけでも数千桁になる。だから答えの最後の方だけ取ってこい、というわけだ。この呪文は最初から問題文に載っていたが、見ていなかった。これで問題が大幅に簡単になる。当てもなく彷徨わなくても良くなった。よかった、よかった。

もうそろそろ本当に飽きてきている芝蘭園のカンティーンの夕食の後、機械学習の授業に行く。面白い授業だが、前半は全然分からない。高度な代数学と確率・統計を自在に操る能力、それに基礎のコンピュータサイエンスの知識が前提とされている。Jun Zhu教授は最前列で熱心に講義を聞いている僕が、去年までは機械学習とは全く縁がなかったとは夢にも思っていないだろう。授業がどんどん進む。

で、授業の休み時間(ほぼ毎日ある19:20から2時間25分の授業は、45分3コマに5分休みを2回はさむのが基本だ)にこの難解な機械学習の授業にも遂に宿題がでたことを知る。これはヤバい、一難去ってまた一難だ。で、授業が終わって寮に帰ってきてから、今年の国慶節での長期休暇をあきらめ、2回ほど日帰りで家に帰ってそれ以外はキャンパスで勉強する手続きをオンラインでする(現在COVID-19対策の一環として、毎回キャンパスを出るときには報告の義務あり)。まあ、連休に勉強三昧もおつなものだと自分を慰める。

ちなみに今学期とっているビッグデータインテリジェンスと機械学習は結構内容がかぶっている。良く言えば相乗効果が期待できるが、悪くすれば両方とも難しいのでどちらも理解できない可能性もあり問題だ。これは連休中に日本語の文献も含めて、大いに読書する必要がありそう。頑張ろう!

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