清華大学CS学部ACPカリキュラムと受講案内
清華大学のコンピュータサイエンス(CS)学部の大学院留学生向けプログラムはアドバンストコンピューティングプログラム(ACP)といって、一部の語学の単位を除いて授業は全て英語で受講できる。修士と博士課程前記の学生を合わせて、毎年大体30人前後の枠がある。今年2021年も30人弱の入学者があったようだが、現時点では北京のキャンパスに辿り着いたのが6人前後、それ以外は皆んな世界各地からオンラインで参加している。このACPのカリキュラムと授業の取り方を紹介する。
僕は修士課程に入学・在籍している(博士課程前期の学生も同様な授業を受ける)が、これは2年から3年で最低26単位の科目クレジットを取得し、修士論文を執筆・発表して修了となる。このうち、中国語2単位(レベルは問わない)・中国概論3単位(各分野の授業あり)・修士論文関連3単位、それにACPの学生向けに設計された組合せ理論とアルゴリズムデザイン4単位と先端機械学習3単位の15単位が必修科目である。他にCSの専門科目を2−3年以内に11単位とる。2023年の6月に修士課程を修了するためには単位は今年と来年の秋学期の3学期中にとっておけ、と言われている。
今季2021年秋学期の履修授業申請スケジュールは、1)授業開始前のプレ申請(9月1日から7日)、2)授業開始直前の正式申請(9月7・8日)、3)申請及び撤回による修正(9月13日から18日)、4)撤回のみの修正(9月18日から9月26日)、そして5)正式な撤回(撤回の事実が記録される;11月26日まで)となる。これ以降はFailure、いわゆる『落とした』ということになり、成績にFがつく。
僕は今季中に中国語と中国概論をとってしまおうと思っていて、初級中国語A(最も初歩的)と中国史・中国文化入門をとっている。どちらもオンラインでの参加者(海外からの留学生)が多く、初級中国語Aにいたっては19人の受講者のうち教室でオフラインで授業を受けるのは僕を含めて2人だけである。(中国語の授業をオンラインで受けるのは結構厳しい、皆んな大変だなと思量する。) 中国史の方は教授が同年配で良い友達になれそうだ。どちらも教室で授業を受けられるのはありがたく、楽しい経験だ。
CS専門の科目を僕は現状、今季取得可能な最多の6科目を申請しているが、3つでOK、4つで大変、5科目以上は死ぬ、と言われているので今週中に3つ撤回する予定である。このうち、必修の組合せ理論とアルゴリズムデザイン(Combinatorics and Algorithms Design、通称C&A)は最も大変で、毎授業で授業前の予習クイズ・授業中のクイズ・授業後の宿題が出る。凄いスピードで授業が進む。が、教授は『今はユックリだけど心配しないで。これからどんどんペースを上げていくから』と笑いながら言う。この人は非道い人だが、わりと僕との相性は良い。で、英語で行われる先端機械学習だが、ACP留学生用の講座ではあるのだが、他のプログラムの中国人学生にも人気があり、受講申請時に満席で取れないACP留学生が(僕も含めて)続出、急遽受講枠を増やして対応することになった。この先端機械学習の内容は別途、いつか記述したい。
僕の今季の残りのCS専門科目枠だが、ビッグデータインテリジェンス、ディストリビューテッドデータベースシステム(DDBS)、ソフトウェアプロジェクトマネジメント(SPM)、アドバンストマルチメディア(MM)の中から一つ選ぶのだが、ビッグデータにしようと思っている。これは結局AIの勉強で、機械学習との親和性も高いだろう。ただ、他の DDBS、SMP、MMも授業もノンクレジットでの聴講は可能と先生に言われているので、できる限り出席する予定である。
中国語と中国史は朝9:50からお昼の12:15まで、今季取るACPのCS科目の全ては世界中ののクラスメイトのために夜の19:20から21:45までの授業となる。中国では先生も学生も二時間半(途中5分の休憩を2回挟むが)びっちりやるのが普通だと思っている模様。皆んな精神体力的に凄くタフだ。授業の準備があるので今日の日記はこれくらいにしておく。