タクシードライバー
タクシードライバー
ある穏やかな朝、タクシーを呼んだの
柔らかな陽射しが降り注ぐ街で
タクシー運転手は
小さな荷物を抱えた清楚な女性に出会った
彼女は古びた建物の前で止まった
「私はエレベーター係だったのよ
一日中上下しながら
たくさんの人々と笑い、泣いたわ」
小さな親切に感謝して
飴を差し出した小さな少女の笑顔
その小さな愛が人生だなんて、気づかなかった
あの頃は知らなかったの
小さな心遣いと「ありがとう」が
どれだけ癒しになっていたのかを
記憶の香りに導かれて
思い出の街を辿る彼女
愛と許しが溢れる夜
思い出を胸に、最後の旅へ
彼女はカフェの窓辺に座る人々を見つけた
笑い声が響くカフェで
若かりし日々を思い出しながら
友達と語った世界の全て
あの頃は知らなかった
言葉で与えた傷の痛みを
何気ない一言で笑ってくれた友人たちの温かさを
別れも愛の一部だなんて、あの時は分からなかった
記憶の香りに導かれて
思い出の街を辿る彼女
愛と許しが溢れる夜
思い出を胸に、最後の旅へ
彼女は賑わうデパートの前で立ち止まる
行き交う人々を静かに見つめながら
孫の手を握り微笑むおばあさんを見つめて
涙を流した
「この世に許せないものなんてないわ
心が許さないだけなの
数え切れない人々が、それぞれ違う顔で
それぞれ違う人生を生きているけれど
結局、同じ空の下で生きているのよ」
老人ホームが最後の行き先
私を待っている人たちがいる
新しい始まりはここから始まる
思い出と恵み、そして温かな微笑みとともに
記憶の街を辿り歩く私
愛と許しが溢れる夜
主の恵みの中に抱かれながら
思い出を胸に、最後の旅へ
人生とは長い旅路に過ぎない
その終わりは別れではない
思い出と共に向かう、もう一つの旅路
長い記憶と悔いだけが残るけれど
記憶の街を辿り歩く私
愛と許しが溢れる夜
主の恵みの中に抱かれながら
思い出を胸に、最後の旅へ
主と出会うための長い旅路へ