八村塁全試合記録★64試合目★6.3.2021

2021年6月3日(現地2日)、
ワシントン・ウィザーズの八村塁がペンシルバニア州フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで行なわれたNBAプレイオフ2021 イースタン・カンファレンス・ファーストラウンド(1回戦)の対フィラデルフィア・76ers第5戦に先発出場した。八村は今季64試合目の出場で、
21得点、6リバウンド、2アシストをマークした。


https://youtu.be/ts745GwwJ-c

https://youtu.be/jlc9QBFLCnc



序盤はウィザーズのペースで試合が進むも、第2クォーターのラストポゼッションでダニー・グリーンに3ポイントシュートを許し、2点ビハインドで前半を終えた。

後半に入ると、カリーに12連続得点を許すなど、徐々にシクサーズの流れに。ブラッドリー・ビールもペースアップし追撃するが、速攻を狙った八村へのパスをカットされ、ベン・シモンズにバスケット・カウントを許すなど、ターンオーバーから失点し波に乗れない。そして、バックアップセンターのドワイト・ハワードにインサイドを支配され、2桁のビハインドを背負った。

シクサーズが主力を休ませている時間帯に点差を詰めたかったが、フルカン・コルクマズやジョージ・ヒルなどセカンドユニットの壁を崩せない。

ビールが抑えられ得点が伸び悩んだウィザーズに対し、シクサーズは勝負どころでトバイアス・ハリスやシモンズがしっかりと加点した。そして残り4分13秒、ハリスにフローターを決められ、ビハインドが20を超えたところでビールとラッセル・ウェストブルックはベンチへ下がる。

その後、ファーストオプションとなった八村が積極的にアタックし6連続得点を挙げるが、勝敗を覆すには至らず、残り1分40秒にベンチへと下げられた。

試合はウィザーズが112-129で敗れ、1勝4敗でシリーズ敗退が決定した。勝利した76ersはカンファレンス・セミファイナル(地区準決勝)に進出し、アトランタ・ホークスと対戦する。

八村は両チーム最長の43分間コートに立ち続け、21得点6リバウンド2アシストを記録したが、出場時の得失点差は-15だった。日本人選手として初めてプレーオフに出場し1勝も挙げたが、八村の2年目のシーズンが終了した。

シクサーズはセンターも務めたシモンズが19得点10リバウンド11アシスト2ブロックを記録するトリプル・ダブルを達成。カリーが3本の3ポイントシュートを含む30得点、ハリスも28得点を記録し、ハワードが12得点3ブロックとエンビードの穴を全員で埋めた。

2試合連続で20得点以上をマークした八村は、
第2クオーター(Q)、ここ最近好調の3点シュートを決めるなど前半を終えて9得点。第3Qには相手を惑わすポンプフェイクを入れ、相手からファウルを受けながらもシュートを決めて2桁得点に乗せた。その後も得点を重ねたが、ウィザーズは強敵相手に突き放された。

セブンティシクサーズは大黒柱のジョエル・エンビードが右膝を痛めて欠場したが、セス・カリーやトバイアス・ハリスが得点を量産するなど全員でカバーした。

八村はこの日、試合最多となる42分39秒プレイした。フィールドゴールは13本中8本を成功(そのうち3ポイントショット3本中1本成功)、フリースローは5本中4本を成功させ、ターンオーバーは0、パーソナルファウルは3だった。

日本人選手として史上初の出場となったプレイオフで合計5試合に出場(全て先発)した八村は、1試合平均34.6分(173分)出場し、14.8得点、7.2リバウンド、1.0アシスト、FG61.7%(29/47)、3P60.0%(9/15)、FT58.3%(7/12)を記録した。

得点、リバウンド、FG成功率、3P成功率は、レギュラーシーズン(13.8点、5.5リバウンド、FG47.8%、3P32.8%)を上回る数字だった。

プレイオフ5試合全てで二桁得点をあげた八村は、最後の2試合(第4~5戦)では20得点超をマークした。また、3Pも全試合で最低1本以上を成功させるなど、シュートタッチの良さが光った。

なかでも、シリーズで唯一の勝利となった第4戦(現地5月31日)では、20得点、13リバウンドのダブルダブル、3P6本中3本成功、さらに試合終盤にはダンクと3Pで決勝点をあげるなど、勝利に大きく貢献した。


2020-21シーズン、
NBAキャリア2年目を迎えたワシントン・ウィザーズの八村塁は飛躍のシーズンを送った。昨シーズンと比べてボールハンドリングとジャンプショットが向上すると、オフェンスで積極性が増した。

八村は今季レギュラーシーズン57試合に出場し、
平均13.8得点5.5リバウンド1.4アシストを記録した。

 キャリア初のプレーオフではフィラデルフィア・セブンティシクサーズと対戦し、5試合のなかで2度の20得点オーバーを達成。シリーズには敗れたが、平均14.8得点7.2リバウンド1.0アシスト、3ポイントシュート成功率は60.0パーセントという数字を最終的に残した。

こうして目覚ましい活躍をみせた八村だが、
指揮官であるスコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)は、今季の八村について、

「塁は2年目のシーズンですごく成長した。残念ながら離脱期間もあり、不運なことが続いた。それでも復帰するたびに向上していた。普通はそうはいかない。徐々に調子を取り戻して、万全になるのに時間がかかるケースのほうが多い」と、コメント。「塁の場合はそうではなかった。数試合不調が続いても、必ずそこから立ち直ってプレーがさらに向上した」と、評価している。

 またポストシーズンでのプレーに関しては、

「プレーオフでも驚かせてくれた。初プレーオフでレギュラーシーズンよりも数字が上がることは稀なことだ」と、ブルックスHCは語る。

その一方で、

「もちろん課題点はあり、まだ成長の余地はたくさんある。オフェンスはさらに向上していくだろう。ジャンプショットも今年は一歩前進した。ボールハンドリングもまだこれからだが、よくなっている。ディフェンス面での万能さは、来季さらに大きく前進すると思っている」
と、今後の可能性について言及した。

 今季は昨季よりもオフェンスのバリエーションが増えただけでなく、ディフェンスも向上し、あらゆる面で成長がみられた八村。チームから必要とされる選手へと成長したが、今後のさらなる活躍と3年目となる来シーズンのプレーに期待したい。

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