【経営学を学ぶ企画】第二章その4
はじめに
今回は、前回の続きです。ドメイン、PPM、成長戦略などを見ています。
ドメイン
ドメインは活動範囲を指し、企業にとっての「土俵」になります。「土俵」では、企業が解決したい問題に対する解決策を提示することで存在意義を示すことができます。ドメインは顧客層、技術、顧客機能の三要素から形成されます。
PPM
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、「経験曲線及び、マーケットシェア(市場占有率)」×「製品ライフサイクル」のマトリックスになります。
経験曲線
経験曲線は、製品の累計生産量と単位コストの間に一定の関係性があり、累計生産量が倍増するごとに単位での実質生産コストが20%から30%程低下するという経験則に基づいた曲線を指します。別名「80%カーブ」と呼ばれたりもします。製造業などの分かりやすく結果反映される業界もあるが、基本的に多くの業界でも「80%カーブ」は存在すると言われています。コスト低下の原因として、主に以下の要因が挙げられます。
1.習熟効果:累計生産量の増加に伴い、仕事への慣れと仕事量の増加による単位当たりの生産時間の短縮する現象。
2.規模の経済性:生産規模が大きくなるほど生産に必要なコストが減少し、競争上有利になる現象。
3.技術の改善:生産における技術の改善で生産性が向上し、コストが減少する現象。
4.デザインや工程上の改善:生産の設計や工程の見直しによって、工程数を削減するなどの改善策によるコストが減少する現象。
製品ライフサイクル
製品ライフサイクルは、製品の市場おける寿命を指します。フェーズとして、4つに分類されます。
1.導入期:市場に製品を投入する段階。売上高0もしくは、サンクコスト分含めたら、赤字スタート。
例:PS4を市場に投入する為、研究開発・生産・マーケティングに多額のサンクコストをかける。
2.成長期:市場でのシェア争いの中で、製品を売っていくフ段階。売上高が伸びていく。サンクコスト回収し、損益分岐点を越えることが目的になる。
例:PS4のシェア争いで競合他社に打ち勝ち、研究開発・生産・マーケティングのサンクコスト回収しながら、損益分岐点を越えようとする。
3.成熟期:市場でのシェア争いが落ち着き、製品を購入する潜在顧客を探す必要の出てくる段階。売上高がピークに達し、これまでかけてきたコストに対するリターンが最も大きく得られる段階。
例:PS4のシェア争いが落ち着き、ソフト面の供給で黄金期を築きながら、売上高のピークに達する。
4.衰退期:市場での製品に対する興味が薄れ、次の製品が求められる段階。売上高が緩やかに右肩下がりになり、市場からフェードアウトしていく段階。
例:PS4のライフサイクルが終わりに近づき、次世代機PS5の発表などにより、市場からのフェードアウト段階に入る。
PPM
市場成長率と市場占有率のマトリックス分析をすると、以下のようになる。
1.花形商品:市場成長率が高く、市場占有率も高い
2.金のなる木:市場成長率が低く、市場占有率が低い
3.問題児:市場成長率が高く、市場占有率が低い
4.負け犬:市場成長率が低く、市場占有率も低い
成長戦略の種類
分析ができたら、次にとる戦略の種類を並べると以下のものがあります。
1.専業戦略:売上に占める割合が95%超える場合、複数の事業ではなく、最も収益性の高い事業に専念する戦略。
2.多角化戦略:事業がライフサイクルで成熟期以降のフェーズに入った後のリスク分散目的での事業の多角化。
3.垂直統合戦略:企業の位置する川上、川中、川下の中で垂直統合を行う。原材料・生産の統合を後方統合戦略、製品・販売の統合を前方統合戦略と呼ばれる。
4.M&A:不足している経営資源の確保と事業の多角化戦略の一環。
5.戦略的連携:協業関係の構築。
あとがき
次回から、事業戦略に入ります。
戦略の階層(簡易版)
全社戦略(今回でここ終了)
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事業戦略(次回からここ)
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機能別戦略