幸せであれ
桜という花が日本人にとって特別な存在となったのはいつの頃からだろう。
ミカモは割とひとりでいることが好きだから、いつも淡々と日常を送っている-、ように他の人からは見えるらしい。
けれど、桜の開花を耳にすると、心の中に温かな光が差し込んできて、おまけに未来への希望まで運んできてくれたように感じてしまう。
体中の細胞が一気に生まれ変わって、新たなエネルギーがチャージされていくようで、少々の困り事など消えてなくなってしまう!!!
それが私にとっての桜という花。
その桜の開花を目前にして、
ミカモは20年間住み慣れた家を離れ新たな土地に拠点を移した。
久しぶりの賃貸物件は、問題山積で手入れが必要なところがあちこちに。
元いた家が恋しくて、恋しくて、心折れそうに。。。
おまけにテレビが映らない。何故だ。
ミカモはテレビっ子なのだ。
しかたなしに? 見逃したTVドラマを初めてネットで観てみた!
が、これが結構いい感じ。要するにハマってしまった。
忙しいのに-、
やめられない。。。
まるで宿題やらずにYouTubeを観ている子どものよう。
こちらは、沢口靖子さん主演の「お花のセンセイ」
(テレビ朝HPより画像お借りしました)。
とっても感動。泣きながら観てしまった。
鳳丸子センセイは誰もが幸せを感じられる社会にするために、一人ひとりに向き合い、たくさんの壁にぶつかりながら、公約実現に向けて突き進んでいく。時に悩み諦めそうになっても、
それでも軸は絶対にぶれない。
自分を護ろうとしない丸子センセイ。
その姿に、周囲も次第に心動かされ変わっていった。
自分ではない誰かのために生きる姿に感動しきり。
そして大きくて温かな愛の思いが伝わってきた。
大人になると、そんな生き方なんてただの絵空事でしょうって言われそう。けれど、皆がそうした優しい思いをもっていたら、世の中って変わっていくのだと思う。
つまずいたり、失敗したりしても、
「いいんだよ。だいじょうぶだよ」って
受けとめてもらえるだけで安心できるもの。
「どうして上手く出来ないんだ、なぜ失敗したんだ」
そんなふうに言われたら、誰だって萎縮してしまう。
それが続いたら、新しいことに挑戦もできないし、
ミカモだったら立ち直る事なんてぜったい無理。
毎日、自分の事で精一杯になってしまうけれど
数ミリでも視線を外に向けてみて、
誰かのために何か自分にできること、あるかな?
まずは思うところから始めてみる。
何事もなければニコッと微笑んで歩いてみる。
しかめっ面よりずっといい。
それならミカモにも出来ると思う。
引越はちょっと問題ありだったけれど
外に出てみればもう春真っ盛り。
まずは心の中を明るくしていこう。
世界では紛争、戦争が未だに終わらない。
けれど、人間社会でどんなことが起きても、
変わらず美しい姿を見せてくれた桜の花々。
ほんとうは皆、こんなにも美しい世界に生きているのだ。
美しい世界の中で幸せであるために、
その幸せに気づくために生まれてきたのだと思う。
柔らかな日差しのもとで
薄桃色の花びらが、一つ、またひとつ
宙を舞いはじめる。
伸ばした掌をすり抜けて足元にたどり着く。
私は丸く縮こまった背中を思い切り伸ばし
顔をあげて、心の中で思いを伝えた。
「今年も美しい花をありがとう」
汗ばむほどの春の日差しを浴びながら
桜の樹は天に向かって思い切り手を広げている。
「幸せであれ」
私の胸のなかに声が響いた。
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