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保証人のこと〔卵巣腫瘍+開腹手術 道々の記⑩〕

最初に入退院窓口を訪ねたときに渡された『入院申込書・保証書』には、保証人を記載する欄があり、「保証人は本人と生計を別にする方をお選びください。」と書かれてありました。おそらく、ほとんどの病院で、入院や手術の際には保証人を求められるのでしょう。

保証人…どうしよう。。。

一般的には、保証人を、親や子ども、兄弟姉妹か親戚、あるいは職場の上司などに依頼することが多いのでしょうが… 
最近の少子高齢化社会では、親は高齢や認知症もしくは他界している、子は無いあるいは成人していない、兄弟姉妹や親戚も遠方で疎遠だったり高齢だったり、職場のつながりも非正規雇用やリタイア後で希薄、等等の事情で、多くの方が保証人を頼める当てがなく困っている、と知りました。

今回の私の場合も、似たような事情で、やっぱり頭を抱えてしまいました。

調べてみると…

不動産の賃貸物件の契約などでは保証会社と契約して保証人がわりになってもらうことも主流になってきていますが、病院の保証人について、保証会社をネット上で調べたところ、高齢者のさまざまな保証人の悩みに応えるようなサービスも出てはきているものの、まだ悪質業者を取り締まる法整備もなされておらず、料金が高額だったり、信頼できる会社かどうかの判断が難しく、利用しづらいのが現状のようでした。

病院側としては、保証人を立てないとすると、入院費の支払い能力についてや、万が一、容体が急変した場合等に対応したり引き取ってくれる人がいない、などの懸念があるのでしょうが、入院費を事前に支払ったりクレジットカード決済にすることで、保証人を立てなくてもいいとする病院も、少しずつ出てきているとも知りました。

病院の入退院窓口に相談

私は、思い切って、患者支援センターの入退院窓口の担当者に相談してみました。生計を別にする人で保証人を頼めそうな人がいないこと、夫は生計を同じくしているが、私と同年代で今のところ健康状態に問題はないこと、支払い能力についても私も夫も問題なく、クレジットカード決済可能なこと、を伝えました。

すると、窓口の担当者は「ちょっとお待ちください」と奥に引っ込んで、上司と相談されてきたらしく、「事情は分かりましたので、今回はご主人に保証人になってもらってください」と言ってくださいました。そして、保証人記入欄の欄外に "事務にて了承済み" と一筆を入れた新しい『入院申込書・保証書』を渡してくれて、「この用紙にご記入の上、入院時に忘れずにお持ちください。」と、とても親切に対応してくださいました。

今後に期待

今回は、これで事なきを得ましたが…今後、もし、夫か私のどちらかが先に他界して一人になったり、どちらかが認知症になって保証人になる能力がなくなった場合には、どうしたらいいんだろう…と、ヒヤリとしました。

成年後見人、法定後見人などの制度もあるのでしょうが、不動産業界の保証会社のように、医療や介護の業界でも、これからの少子高齢化社会に即した、保証人に替わる良心的な保証会社の制度や法整備が進められるといいな…と、切に願います。


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