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手術オリエンテーション・麻酔科外来・婦人科担当医との面談〔卵巣腫瘍+開腹手術 道々の記⑯〕

前回、ここで記事を投稿してから、はや5ヶ月半ほど経過してしまいました。便りのないのは元気な証拠…ではあったのですが、随分ご無沙汰してしまい、申し訳なく感じています。
とはいえ、こんな私でも、自分の心の中で決めていたことがあって、、手術を受けた2021年12月24日の1年後までには、せめて手術当日の体験記までは投稿する、と。もう、その自分で決めた期限も差し迫り…そろそろ書き留めておかないと、私の中でも風化して忘れて行ってしまうな…という危機感もあり、改めて、この稿に向かっています。

…もし、この体験記が何かしらのお役に立つ方がいらっしゃれば…どうか、もうしばらくお付き合いくださいませ。

入院の約1週間前に外来へ

前回、入院前検査の結果を聞きに婦人科外来を訪れて、入院・手術の希望日が決まった後、婦人科の看護師さんから、術前パンフレット一式とPCR検査の検体を採取するキットを渡されて、入院までの流れの説明を受けていました。その時ご説明があったとおり、12月の初旬には病院から電話がかかってきて、入院:12月23日/手術:12月24日の決定のお知らせとともに「手術オリエンテーションの日程は12月16日です。できるだけご家族と一緒にお越しください」と、告げられていました。

12月16日当日、夫とともに、定められた時間までに病院に到着し、まずは採血室にPCR検査の検体を提出。「万が一、陽性の場合にはご連絡しますが、陰性の場合はご連絡しませんので、予定通り入院の準備を進めてください」と説明を受け、いよいよ入院手術に向けて、全てが進み始めます。

手術オリエンテーションを受ける

次は医療相談室で、入院支援担当の看護師さんから手術オリエンテーションを受けました。「患者さんご家族が安心して入院生活が遅れるよう、多職種で支援をいたします」と記された『療養支援計画書』を提示され、入院後の療養生活の支援や手術についての説明を受け、計画書2通にサインをし、1通は病院へ、1通は私の手元に残します。この時間に、入院後の病室の様子など、質問したかったことをいくつか聞いてみることができました。

婦人科の手術担当医との面談

事前の予定表では、手術オリエンテーションの次は麻酔科外来へ、となっていましたが、この日の案内では、先に婦人科外来を訪ねることになりました。順番が来て、診察室のドアを開けると、そこで迎えてくださったのは、爽やかな笑顔の、若々しい妖精のような雰囲気の小柄な女性の先生でした。(心の中でホッとしながら)夫とともに「どうぞよろしくお願いします」と、ご挨拶しました。

その時から私の主治医となられたB先生に、あらためて診察を受けたあと、事前に用意してくださっていた『手術療法 治療計画書 卵巣腫瘍手術(付属器摘出、子宮全摘術)を受けられる方へ』に基づいて、お話を伺いました。私たちの理解を助けるために、B先生は、机を挟んだ向こう側から逆向きで、手描きの簡単なイラストを書き添えてくださりながら、病名・病状と現時点での診断、手術の目的とその内容、手術に伴う合併症や後遺症、予期せぬ合併症や後遺症の可能性と、万一の場合の対処等について、手術後の退院までの日数の目安など、要点を押さえてテキパキと、そして丁寧にご説明くださいました。

手術の大まかな内容はこれまでのA先生からも伺っていましたが、手術に伴う合併症や後遺症のお話を詳しく聞くのは今回が初めてで、手術の中でも比較的簡単な方だと言われる私のケースでも、やはり、体にメスが入るのは重大なことなんだと、あらためて気が引き締まります。

子宮を摘出するか否か

私も夫も、一番気がかりだったのは、手術で卵巣腫瘍と付属器(もう一方の卵巣と卵管)を摘出するまでは止む無しとして、この時点では特に問題のなかった子宮を全摘出するかどうか、でした。

B先生曰く、一般論として、閉経後の子宮を摘出するメリットとしては、今後、子宮癌などの心配がなくなること、婦人科の検診を受け続けるわずらわしさから解放されること。
デメリットとしては、卵巣腫瘍+付属器だけを摘出するのに比べて、子宮も全摘出するには、手術時間もより長くかかり、手術の難易度も上がる(どんなに慎重に手術に臨んでいても、稀に、出血が増えたり、尿管や膀胱、腸などを損傷してしまう可能性もある)とのことでした。

夫が、一歩踏み込んで、「ご友人やご家族に似たようなケースの手術の相談を受けた場合に、どうアドヴァイスなさいますか?」と聞いてくれました。 B先生は、私自身のことなら、今後の婦人科検診の煩わしさや癌の心配を抱え続けなくていいので摘出しちゃいますが…と前置きした上で、「この子宮に対する考え方は、女性にとっての女性性の捉え方などに関わる大変デリケートな問題なので、これに関しては、ご本人様やご家族様のお考えにお任せします」とのお返事でした。
子宮を温存した場合も、1〜2年に一回程度の婦人科検診を受診することで、万が一、癌化が疑われた場合も早期発見、早期に治療できる、とご説明くださいました。主治医が女性になったことで、デリケートな面も思い切って質問しやすかったのは、大変ありがたかったです。

こんなやりとりの後、『手術説明・同意書』と『特定生物由来製品等の使用に関する説明書、同意書』を渡されて、説明を受けた日付の記入と署名をし、「同意書部分はよく読んで、入院までに同意書にサインをお願いします」とコピーを渡されて持ち帰ります。

子宮をどうするか、まだ決めきれない私の様子に、B先生は「大事な問題ですから、ゆっくり考えてみてください。どちらにするかは、入院時(手術前日)の診察の時にお返事いただければ大丈夫ですから」と、にっこり笑って、送り出してくださいました。

麻酔科の手術前説明を受ける

婦人科の担当医との面談の後は、麻酔科外来に向かいました。麻酔科外来は、手術室に隣接しているので、これまで通ったことのない入り口、エレベーターからの経路を案内され、待合室や廊下の人影もまばらで、緊張が高まります。

待合室のソファーで待機していると、ほどなくして私の番になり、夫と一緒に呼ばれた部屋に入りました。ここでも待っておられたのは若い女性の医師でした。このC先生は、私は今日の説明の担当医です、と自己紹介された上で、手術当日の麻酔の医師は、また違う方だと話されました。やはり、突然、緊急手術が入ってしまう可能性があるため、あらかじめ医師を決めておいても担当できない場合もある、というのが理由のようでした。
その上で、私のカルテをPC上で見つめながら、今回の手術で行う麻酔は、全身麻酔硬膜外麻酔だということ、それぞれの麻酔の目的と役割、メリットとデメリットを説明してくださいました。

開腹手術の体験談を事前にいくつかネット上で読んでいて、全身麻酔は必須だろうと感じていましたが、硬膜外麻酔は賛否両論あるようでした。C先生のご説明では、硬膜外麻酔は主に手術後の痛みを抑える目的で行うもので、局所麻酔で脊椎の間に針を入れ、細い管を入れ、そこから薬を注入する、とのことでした。ごく稀に、副作用として、手術後に足の痺れが遺ることがある(麻酔に由来するものなのか、手術時のそうに由来するものか、判別がつきにくい)、ということでした。その副作用を気にして、硬膜外麻酔を忌避する方もいて、最悪なくても手術はできる、とのことでした。

そのお話を聞いた途端、これまで、この手術にまつわるほとんどのことを受け容れるつもりだった私の心に、ムクムクと「私、カメラマンなのに、歩きにくくなったら困る!!」という思いが強く沸き上がってきました。隣の夫も同じことを考えているような表情でした。

そんな私たち夫婦の気配を察知したC先生は「今日のところは『麻酔説明・同意書』の説明を受けた、同意欄にサインをしていただいて、硬膜外麻酔を実際にするかどうかは手術当日にお伝えいただいても大丈夫です」と言ってくださいました。
それを受けて、『麻酔説明・同意書』に日付の記入と署名をして、「では、手術当日までに考えてきます」とお答えして、麻酔科外来を辞しました。

入院までの宿題

…ここまでで、この日の必須事項は終わりました。緊張から解き放たれて、ホッとしたのと同時に、いよいよ手術が否応なく現実のこととして迫ってきて… 「子宮を温存するか、摘出するか」「硬膜外麻酔を受けるか、否か」
ずしりと重みを感じる宿題を2つ抱えて、帰路につきました。

もやもやな気持ち。。。







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