『奇妙な孤島の物語』ノート
副題は、〝私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島〟である。原著は「もっとも美しいドイツの本」賞を受賞している。
目次を開くと、見開きで50の島の名前が載っている。私が名前を知っていた島は50のうちのたった8島。大陸の近くにある島もあり、大洋のまさにど真ん中にポツンと頭を出している絶海の孤島もある。環礁(ラグーン)で出来た島もあり、火山島もある。人が住んでいる島もあり、無人島もある。領有権がはっきりしている島もあり、ある国が勝手に領有権を主張している島もある。
ページを開くと、右には島の名前、経度・緯度、発見された年月日、島の面積、島の歴史などが書かれてあり、左のページには、島の地図、地名などの図版と左上には小さく地球上での島のおおよその位置が点で示してある。
よくもまあこんな島に人が住んでいるものだと思う。普通の意味での住民はいないが、大陸間弾道ミサイルなどを監視・追跡するパラボラアンテナなどが多数設置され、それらの施設に勤務する職員がいる島もある。しかしそんな島にも教会があり、島の風景の中で奇妙な対比を見せている。昔は、大陸と大陸を結ぶ大西洋の海底に敷設されたケーブルの中継基地だったそうだ。位置を確認すると確かに南アメリカとアフリカ大陸のど真ん中に位置する。
またどのような歴史で人が住むようになったか分からない島もある。舟で大洋を渡って住み着いたのか。なぜ人間が住み着いたのか、その理由もわからない島もある。
モアイ像で有名なイースター島というのは太平洋のど真ん中にある。私たちの視点から見れば絶海の孤島としかいいようがないが、島の住民ラパ・ヌイ人は自分たちの島を〝テ・ピト・オ・テ・ヘヌア〟(世界のへそ)と呼んでいる。確かに地球という球体の表面には中心はなく、どこでも世界の中心だと主張できる余地はある。この島には70もの火山があり、荒涼としているが、異様に大きな滑走路がある。スペースシャトルの緊急着陸用に建設されたものだそうだ。
ロビンソン・クルーソー島というのもある。なぜその名が付いたか、本を読んでのお楽しみに取っておこう。