2.絵本を作ろう!
絵を描く人なら一度は「絵本を作りたい」と思ったことがあるはず。いきなり、文も絵も担当するのはなかなか大変で、得意分野を生かして絵から入る事が多いです。文と絵の両方を担う絵本作家になりたい!と思った私は絵本の塾に入る事にしました。
絵本塾に入る
ちょうどギャラリーVIE絵話塾に絵本コースがあったので、イラストの続きで通うことにしました。
そこで、手刺繍の絵本「おにいちゃんになること」を仕上げ、ピンポイントギャラリーのコンペに応募しました。
しかしながら、ストーリー展開が少し弱く、3次審査止まりでした。
Zine絵本を作る
2007年、ギャラリーハウスMAYA装画コンペで準グランプリを頂きました。
テーマは「赤ずきん」。
ミシン刺繍での絵を模索していた時描いた絵でいきなり準グランプリになりました。
その勢いで、グリム童話の赤ずきんをベースにしたパロディー版のZineを作りました。
このZineは直ぐに絵本には繋がりませんでしたが、10年後、ドイツのAtmosphere Libri社から”Cappuccetto Rosso"として出版されました。
イタリアからの出版は、Behanceに赤ずきんのZineを掲載していた事がきっかけだと思います。直接売り込みはしていません。
のちに、「おだんごころころ」のフランス語版が出たのも、おそらくBehance経由かと思われます。Behanceに登録しましょう。
10年程イラストと作家業中心に活動してきたのですが、50歳を過ぎて、ふと、また絵本が作りたくなってきました。
生み出して一瞬で消えていくことに、少し虚しさも感じていました。もう少し長く広く残る物を作りたい。絵本を作りたいと思い、再び絵本塾へ。
知り合いの作家さんのお薦めで京都の「のわき絵本塾」に入学することにしました。
束見本
2017年10月の初めてのラフから出版まで約3年かかりました。
初めてのラフ
最初のステッチさんは大人っぽかったです。
絵本塾最後のダミー。赤いとんがり帽子の女の子に落ち着きました。
持ち込みについて
絵本塾が終わった段階で、まだラフとしても7割ぐらいの完成度だったと思います。これを、以前からイラストを通じてお世話になっていた理論社の絵本編集者の方にお見せしました。普通、出版社に直接持ち込んでもなかなか見てもらえる事は少ないですが、イラストやデザインなどの仕事で繋がりがあれば、大概大丈夫だと思います。
絵本の持ち込みは、
イラストレーター/デザイナー ⇒ 知り合いの編集者へ連絡、個展のDMを送ってみる
絵本の公募展に応募する
絵本塾の先生からの照会 ⇒ 先生のつながりのある編集者に見てもらえる。
Zineの形にして個展やイベント、ショップで売る。
いずれも、すぐに出版化にはつながりませんが、絵本への一歩になります。絵本の自費出版は、慎重に。絵本は、作るだけでなく、読者に届けるまでがセット。営業力が無いとせっかく印刷しても売れません。
出版化は、一冊目が一番ハードルが高く、2冊目もかなり高いです。一冊目の反応が無いと、2冊目はかなり難しくなるからです。
日本は新人が入り難い気がします。また、一度売れると、一部の作家、テーマに極度に偏る気もします。海外のように、年齢を問わずいろんなジャンルの絵本を楽しむ流れになるといいなと思います。