真菰農家さんの圃場見学②〜農家さんの苦悩〜
こんにちは、こあらです🐨
本日は岐阜県大垣市の真菰(まこも)農家さんの田んぼに見学に行った際のお話を綴ります。
ネット上でたまたま見つけたマコモタケ研究会の存在。
なにやらマコモタケの冷凍販売をしているとの情報が気になり、電話をかけて圃場見学を申し込むことにしたのですが…。
実は最初はマコモタケ研究会さんの連絡先をネット上で見つけることはできませんでした。
そこで私は大垣市役所に問い合わせをし、自分が真菰農家を目指している事や、圃場見学をして学びたいという想いを伝えたところ、市役所の方を通してマコモタケ研究会の代表の方の連絡先を教えて頂くことができたのでした。
大垣市役所の方も、マコモタケ研究会の代表の方も、得体の知れないただの真菰オタクの私に連絡先を教えて下さり、本当に懐の深い方々だと思います。改めて深く感謝をしたいと思います。
さて今年6月、私は念願の真菰農家さんの元におじゃまをさせて頂きました。
見学には、前日に偶然出会った大垣市在住の精麻作家さんも一緒です。
当日は雨の日でしたが、私たち2人はワクワクしながら真菰農家さんのAさんのご自宅をお邪魔しました。
玄関のインターホンを鳴らすと、とても穏やかで紳士的なAさんが現れました。
Aさんは私たちの姿を見て「あれ?お二人で来られたんですね。お一人だと思ってたから、資料を一部しか用意してなかったです。もう一部コピーしますから、少々お待ちください。」と仰いました。
私は急遽2人で来る事になった経緯をAさんに伝え、すみませんと謝りました。
Aさんは笑顔で「構いませんよ😌」と仰って下さり、中の部屋にコピーを取りに行かれました。
なんと神対応…!
お願いしていた訳ではないのに、事前に資料まで用意してくれていて、さらに急遽増えた見学者のためにコピーを追加してくれるなんて…✨
と、真菰の田んぼを見る前から私はすっかりAさんのお人柄が好きになりました。
その後、資料と傘を手に持ちAさんの真菰圃場へと歩いて向かいました。
Aさんの真菰の田んぼは、愛情をこめて丁寧にお世話をされている事が一目で分かる美しさでした。
間隔をあけて綺麗に植えられた苗、雑草のない水面、穏やかに風に揺れる真菰の葉。
降っている雨の雫さえも含めて全てが美しく見える景色でした。
雨の雫を弾き、風に揺れる真菰たちを眺めながら、私たちはAさんの貴重なお話を拝聴しました。
マコモタケは土壌にチッ素が多いと大きく育つことや、マコモタケのポテトチップを過去に販売した経験など、Aさんはこれまでご自身が蓄積してきたデータをまとめて資料にし、全て私たちに開示してくれました。
そして、マコモタケ研究会は農家さんの高齢化が進み、次の担い手もなく昨年解散となったこと。
真菰農家を続けているAさんでさえも圃場を徐々に縮小しており、家庭で消費する分しか栽培しなくなったこと。
昔は産直販売に積極的に協力してくれていたOKBさん(大垣共立銀行)も、今は担当者が1人となってしまい昔のようには色々と助けを頼めなくなっていることなど…
現状の苦悩もたくさん教えて下さいました。
こんなに美しい圃場なのに、消えていってしまうのか…と私はなんだか切なくなりました。
農家の担い手不足の話は社会課題としてよく耳にする言葉ではありましたが、農家さんから直接聞く機会はこれまでなかったため、この日現地で直接目の当たりにして初めて自分ごとのように思えたのでした。
私が真菰農家になったら、泥んこ遊びや苗植え体験などを開催して、若い子にもっと農業に興味を持ってもらえるような活動もしよう…!
そう心に決めたきっかけとなった出来事でした。
Aさんには私の質問にもたくさん答えて頂き、本当に有難い学びの場を頂きました。
一緒に見学に来てくれた精麻作家さんも、Aさんの話を録音する気遣いをしてくれたりと、とても心強いサポートを頂きました。
また秋のマコモタケの収穫の時期におじゃまして良いですか?と図々しいお願いをしたところ、Aさんは快く承諾して下さり、精麻作家さんも「私もまた呼んで!」と言って下さいました。
こうして、私たちは秋の再会を約束してお別れをしたのでした。
少し切なく、けれどとても学びの多い有難い1日でした。
今後も全国各地の真菰農家さんとこうして繋がっていけたら良いなと思っています。