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地方に住み、自治体と働くということ⑤ ~そのクラウドファンディング、必要ですか?(1)
起業を考える際に、最初のお金をどのように確保しますか?
まだ収益化のめどが立たず、事業開発の段階なのだとすると返済が必要な「融資」はちょっと怖いですよね。
そんな中、近年はクラウドファンディングのサービスが各社から目白押しです。
クラウドファンディングとは、多数の個人(クラウド)から少額の資金を集める(ファンディング)資金調達の新しい方法で、古くは2011年に始まったReadyforをはじめ、現在では20以上のサービスが雨後の筍のように登場しています。
自分の店をオープンしたり、新しい商品を開発したり、イベントを開催したり何か新しいチャレンジをする際に、自分の取組に共感してくれた人々から資金を集めることができ、将来のユーザー獲得にもつながるユニークな取り組みです。
お笑いコンビキングコングの西野さんが、「えんとつ町のプペル」を作った時にもクラウドファンディングが使われていたので、ご存じの方も多いでしょう。
今回は、地方起業で使えるクラウドファンディングについて、考えてみたいと思います。
クラウドファインディングには4種類ある
クラウドファンディングには大きく分けて、金銭以外のモノやサービスを特典として受けることができる「非投資型」と、金銭的なリターンを得る「投資型」の2つがあります。
「非投資型」には、商品開発のための資金を調達して、完成後に商品を送る「購入型」と事業そのものへの共感を募り、返さなくてもいいお金を集める「寄付型」の2種類あります。
「投資型」には、調達したお金に金利を付けて返済する「融資型(ソーシャルレンディング)」、調達したお金に配当を付けて返済するけど元本割れする可能性もある「ファンド投資型」の2種類に分けられます。
クラウドファンディングの会社の中には、これら1種類のサービスに特化しているものもあれば、複数のクラウドファンディング方式を運営しているサイトもあります。
購入型クラウドファンディングの特徴
購入型クラウドファンディングには、「All or Nothing型」と「All In型」の2種類のやり方があると言われています。
All or Nothing 型では、期間内に目標金額に到達しなければプロジェクト不成立となり、資金を受け取ることはできず、支援者に全額返金されます。プロジェクトが実現しないのに資金が返ってこない、なんていう状況は、支援者にとって不安ですよね。このため、「資金が全額集まらなければプロジェクトが実現しない」場合にAll or Nothing型が採用されます。
他方、All In型では、期間内に目標金額を達成しなくても、集まった資金を受け取ることができるという方式です。こちらはもちろん、資金が全額集まらなくてもプロジェクトの実行が確約されていることが条件となります。
両方のタイプを掲載しているサイトもあるので、自分の事業の特徴を考えながら選ぶとよいでしょう。
【参考:購入型・寄付型のサイト比較】
出典:https://bamp.media/knowledge/1003.html
金融型クラウドファンディングの特徴
融資型では、元本+利息という「お金だけ」でリターンを提供する必要があります。通常の融資とくらべて手数料が割安ではあるものの、元本を返済する義務があるため、ある程度の収益が見込めないと難しいでしょう。
他方、投資型では出資者も事業リスクを負うため、元本保証はなく、事業の成果によって分配金が変動することもあります。収益の見込みが立ちづらいけれど、事業そのものに社会的意義がある場合に採用される方法です。
このような特徴から、投資型クラウドファンディングの事業は社会貢献度が高いことも特徴の1つです。また、金銭的なリターンだけでなく、その事業によって生産されたモノやサービスを受け取れることもあります。
【投資型のサイト比較】
出典:https://bamp.media/knowledge/1003.html
自分の事業にピッタリなクラウドファンディングとは?
このように、かなり多くのサイトがある中で、自分の事業にピッタリなサイトをどうやって探したらよいのでしょう。
また、そもそも数多くの資金調達の方法があるなかで、クラウドファンディングを使うべきかどうか、どのように考えたらよいのでしょう。
次回は、地方起業で使えるクラウドファンディングのご紹介と、クラウドファンディングのメリットがあるかどうかの判断基準について、お伝えしていきたいと思います。