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師走の台湾、3泊4日

温暖な気候を求めて
「いいよねぇ、ここにまだいたいなぁ」
旅の最終日。
2023年のクリスマス前、私と夫は台北の大安自然公園のベンチで日光浴をしながら旅の余韻に浸っていた。

毎年年末年始に夫と小旅行をする。
私たち夫婦の生活拠点はフランスだが、年末は私の実家で過ごす。
紅葉を堪能したり、温泉やスキーに行ったり。雪の京都で凍えながら「にしん蕎麦」をすすった年もあった。どこも楽しいが、どこも寒い。実家も築50年の日本家屋で底冷えがする。日本の冬は晴れの日が多く美しいが吹く風は冷たい。

6年前の1月、ちょっと趣向を変えて台湾を旅行したことがある。
冷房が必要なくらい温暖で薄い長袖で過ごせる。

1週間くらいかけて台北、九份、淡水を観光した。
毎晩小籠包で有名な店を梯子して食べ比べ、痛気持ちいい台湾マッサージで悶絶したり、雨の九份で美味しい烏龍茶に感動したり。
想像以上に楽しい旅だった。

「そうだ、久しぶりに台湾に行こう」と夫婦で意気投合。
2023年の締めは温暖な台湾に行くことになった。

台北旅行ふたたび
夫は1月4日から仕事復帰のため時間があまりなく、クリスマス前の3泊4日で航空券を予約。前回のように遠出をする余裕はなく台北だけの短い小旅行。

成田からのLCC便には、私たちのような中年夫婦、ビジネスの方、中年女子旅の2人組、小さな子供連れの家族、社員旅行や卒業旅行のグループもいた。
女子旅さんたちはリュックサックのみで、ガイドブック片手に本当に楽しそう。

桃園国際空港に到着後、電車と地下鉄を乗り継いでホテルまでたどり着く。
ビジネス街にある新しくできた日系のホテルは、近くにコンビニも数軒あり、飲食街も歩いていける立地。

安定の鼎泰豊
想像してたより寒く、ダウンジャケットを着込んで、早速大好きな「鼎泰豊本店」で夕食。数種類の小籠包を堪能した。期待を裏切らない本店の味で感動。6年前の「鼎泰豊本店」は手書きの注文票が各テーブルに置いてあり、支払いは現金のみだったが、2023年はQRコード注文でカード決済。時代は進んでるのだ。

3日間の台北観光
翌朝から国立故宮博物院、国立中正紀念堂、迪化街、行天宮、孔子廟、龍山寺など6年前にすでに行った場所を駆け足で再訪。

国立故宮博物院は駅から公共バスに乗って行く。この日は小雨がちらつく天気。一番有名な「翠玉白菜」は地方美術館に貸し出し中で展示がなかった。
帰りがけに敷地内の庭園「至善園」を散策。南国植物に囲まれた中国庭園は優雅で心が安らぐ。

孔子廟では「永字八法」の展示があり、小学校のころ習った書道の基礎を思い出す。「永」の字は書道の基礎「はね」や「はらい」などすべての要素があると中英日の3か国語で説明がある。

龍山寺では中国式の長い線香で見よう見まねで祈祷。後で知ったのだが、御朱印帳にスタンプを押してもらえるらしい。次回は必ず持参しようと思う。

夜は饒河街觀光夜市で胡椒餅や台湾かき氷を食べた。胡椒餅は入口入ってすぐのお店が有名で15分くらい並んだ。その場で焼いたピタパンみたいな厚めの皮にスパイスの効いた肉が包んであり美味。

胡椒餅をその場で作って焼いている

台北の原宿と言われている西門町を歩いてみたが、若者の多さにくらくらした。日本統治時代の古い建物も多く、古いものが新しい人たちにうまく馴染んでいる。

高級住宅街の高台にある「象山」を汗だくで登り、美しい台北の街並みを一望。下山途中で立ち寄った店の冷たい愛玉ゼリーはあまりの美味しさに疲れが一気に吹き飛んだ。

最終日は土曜の朝。ガード下の骨董市と花市場を散策。骨董品は翡翠や象牙の細工が多い。花市場ではお土産用のお茶の葉を購入。そのまま大安森林公園まで歩き公園で一休み。

6年ぶり2回目の台北だが、コロナ禍を経て、なんだかますますパワーアップしたような感じがする。来てよかった。

帰りのハプニング
午後の早い時間に空港に向かったのだが、なんと乗るはずの東京行きが欠航。空港のスタンドはちょっとした大騒ぎ。怒る人もいれば、怒鳴る人もいた。名古屋便、大阪便などに振替可能だったが、結局私たちは翌日の東京行き早朝便に振替となった。

格安LCC便なのでホテル代は当然でない。追加1泊は自腹。ここが今後の旅の課題である。LCC便に乗るなら欠航した時を想定するべし。

台北駅近くのビジネスホテルを急遽予約した。このホテル、室内は照明もブラインドも電気系統は備え付けタブレットで操作するという超近代的な部屋だった。翌朝早々にチェックアウトして再度空港に向かい、無事東京便に乗れた。

3泊4日、思ったより寒かったが観光名所も大体制覇し、本場の美食も堪能。存分に楽しめた。おまけの1泊は想定外だったが。
次回は違う季節に少し長く滞在して、高雄方面にも行ってみたい。
私たちが訪れた4か月後に台湾は大地震で被災。復興を心から祈るばかりである。


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