詩 巣/巣
巣/巣
信用しないとき
吐く
吸う
蛍光
指の振動
揺らぐふるえ
言葉にできていないこと
多すぎて
フロアの下
蟻の巣
運び出される砂糖
胃液混じりの砂糖
が糧に
なればいい
地鳴り
緑黄色の洪水
を流し込まれる
幕のおりるまぶた
鬣をなぞる
指
の振動
不規則なふるえ
聞こえていないこと
多すぎて
排水溝の裏
蟲の根城
から這い出た
錨みたい
馥郁とした
安普請
心地良いから
顧みること
吝かに思われて
口唇をわなわな
ふるわせて
せまい
湿潤
のあつまり
さむい
いきもの
のあつまり
で
みせかけの暖を取る