詩 凍り漬けの少女性
詩 凍り漬けの少女性
少女の殻を
稚い薄羽の
封じ込められた 花華の香を
取り払いたくて
願わくば抜け出したくて
大人のふりで着飾る
大仰な傘も 賢者の証も
そのためのもの
失えば二度と手に入らない
次の誰かのもとへ巡る 純粋に
私たちはずっと囲まれている
それはずっと 私たちを掴んで離さない
アイスクリームのように
永久凍土のように
いずれ溶け出して
いずれ熱が訪れて
私たちを 殻に閉じこもった私たちを
再生不能に 焼き払ってくれる
その日が来たら
暗闇の物陰を騒がせた
寝床の足元を湿らせた
世界の恐怖を加算した
妖怪の類は 一人もいなくなる
『東方妖々夢』に登場するスキマ妖怪『八雲紫』を基にした詩