見出し画像

詩 てのひらの矮星



今日だけは言葉をひっこめる
意味、じゃないものを吸収している
いま
流星が落っこちてきたとして
恨み節を言わなくて済むだろう
長い髪が
喉元へ噛みついてきたとして
あまい感覚だと許すことができるだろう
きりたつ鼻筋が
子供のようにまるいとおもう
芳醇、なんて感覚が
この五感からまろびでるとおもわなかった
これまで築いてきたものに
迫るほどの厚みなんて
あなたから感じるはずはない
けれど
肉薄しようとしている、
いま、きょうも、ここで
きわめて正直に
迫りたさをしめしてる
口では越えたつもりでいるけれど
起きている間の集中による
必死さの反動で寝息をたてている
目覚めたらまた
矮星になる
けっして無視させない
ちいさな光源になるの
その構造がいとおしい
この手から剥がれ落ちた感覚が
時をこえて
ゆびさきにもどってきたみたいだ
今日だけは
むなもとにいていい
だれにもさわらせないと握りしめた
てのひらをほどいてもいい







東方Projectシリーズに登場する魔法使い『霧雨きりさめ魔理沙まりさ』および『アリス・マーガトロイド』を基にした詩