詩 毒瓦斯
詩 毒瓦斯
何千往復もする畦道
山道 港 駅 車道 歩道
何万回でも目覚める部屋
何億回目のやり取り
ぜんぶ全身に染み付いてる
すべてがありふれた当たり前になり
ふと見た芝生の青さに嘔吐し号哭する
ここから出してください
たぶん大切なもの
いくつか捨てることになるけど
出してください
適応できなくて今以上に苦しむかもだけど
出してください
どこへ行ってもわたしの重力圏から出られない
つまらないという感情さえも鈍っていくまま
時間を浪費する
この虚しさのすべてを
解き放つ手掛かりを教えてください
死んでしまってもいいと言ったあの日を
嘘にしたくない
いつまでも去る背を追って 追って
追い越し続けたい
から 広くて狭い密室の鍵
その外にあるブレーン・ワールドを
何度でも 何度でも越えさせてください