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詩 願いの報復


  詩 願いの報復


 背後から貫くのは
 かつて 何の気無しに
 または 十分に気を遣ったつもりで
 周囲に放った言葉
 いま それによって
 この辺境へ 大気の喪失のすぐそばまで
 追いやられている

 言葉が誰かを脅かした分だけ
 あるいはそれ以上の 報復を持って
 数々の手土産を抱えて こちらへ帰ってくる
 話せば話すほど
 想えば想うほど
 動けば動くほどに
 その責任はついてまわるのです
 自己都合の後始末によって
 ひとの一生はグチャグチャになっていく

 それでも言ってしまう
 言わずにはいられない
 言わないでは死ねない
 そういう想いによって、悪化する事態を
 あるいは想いによって、救われたと錯覚して
 病と老いに一歩一歩近づいていく

 そういうもんだよ
 そういうもんだな、と呟いて
 またも、過ちを犯して
 死に近づいていく 地上人かぶれ








東方とうほう紺珠伝かんじゅでん』に登場する神霊『稀神きしん|サグメ』を基にした詩