詩 育てたもの
素面の奥に
どれだけのビーズが詰まっているのだろう
ぐずる様子と鼻炎の
違いも識別できないわたしに
できることはそれほど多くない
夕景に比べれば人類は矮小だけど
そのことの無情さにそっくり阿ることで
得られたものは無力だった
息をするために
じゃまになるまっすぐさは先んじて屈折していった
遺されたものが見せる獰猛さは
放水のように痛々しい 無自覚な擦過傷
それに感傷していることの
鏡の見たくなさを
戸の裏に隠したまま
止めようのないものたちのまえで
不自然に目をくばせている
日々だけ