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別冊・旧東海道を歩いてみた #2 計画の作り方

さて、今回は東海道などの街道を歩く場合、どうやって計画を作ればいいのか、ということを書いていきます。

歩ける時間を考慮しよう

最初はお試しのロングウォーク(できれば15~20kmぐらい)をやってみるといいと思いますが、普段からウォーキングに慣れている人以外は、いきなり30km以上で設定するのは厳しいと思います。

ゴール時間が遅くなっても良いのであれば、休憩を適度に入れつつ30kmで設定しても良いでしょうが、街道旅で土地勘のないところを陽が沈んだ後、暗くなったところを歩くのは心細いし不安になるものです。なので、できれば日没までにはゴール(≒宿にチェックイン)することをお勧めします。

そうなると、歩く場合はおよそ次のような時間帯に歩くことを想定すると良いと思います。

◆春季(4~6月) 5:30~18:30(約13時間)
◆夏季(7~9月) 6:00~18:00(約12時間)
◆秋季(10~12月)6:30~17:30(約11時間)
◆冬季(1~3月) 7:00~17:00(約10時間)

このように、「スタート時間」「ゴール時間」をおよそ設定しておくのは、長距離ウォーキングにおいては、非常に重要です。

私の東海道の歩き旅においては、少なくとも宿へのチェックイン時間はこの時間までに済ませています。(早くゆっくりしたいので、もう少し明るい時間帯にチェックインしています)
ただし、出発時間はこの表記時間より早く出発することもありましたが、これは少しすれば日の出の時間になり、明るくなるためです。日の入り後はすぐに暗くなってしまうので、私の場合はスタート時間を早める策を取る方を好みました。

この、「歩く時間帯」と、「出発時間」を念頭に置きながら、計画を立てると良いでしょう。出発地が自宅またはホテル等に宿泊している場合だと、翌朝は早朝でも出発が可能です。もし自宅から出発して現地に行く場合は、歩ける時間が短くなってしまうので、ややリミット時間を過ぎてゴールするか、あるいは早めに切り上げるかをよく考えましょう。

ただ、上のように書いたものの、夏場の長距離ウォークについては熱中症の危険があるため、「歩く時間は短め」に、「気温がピークに達する13時から15時頃の時間帯を避け」、「できるだけ午前中に距離を稼ぐ」等の工夫はしたほうが良いと思います。

歩く区間の設定をしよう

さて、ロングウォークに慣れてきた場合であっても、1日あたり歩く距離は、20~35kmくらいで設定するのがベストと思います。これ以上の距離になると翌朝以降のダメージが響くので、よほどのことがない限りは、この距離感で設定しておくのが良いでしょう。
20kmだと少し物足りない人もいるでしょうが、無理せずゆっくりと、という考えの方なら、これくらいでいいと思います。また、3日以上連続して歩く場合は、翌日以降の疲労を考慮して、敢えて25~30km程度に収めるというのもいいと思います。連日歩くと、疲労は蓄積します。

そして、歩く区間は絶対に事前に設定したほうが良いと思います。また、歩く前日や当日にも区間の見直しを念のためすること。(計画通りにするか、体調面を考慮して短くするor長くする、等)天気、気温については必ずチェックです。

いりくんだ道

オススメの方法を紹介します。

①全距離のスタートからゴールまでの距離を大体掴む
②スタートから、自分が決めた平均歩行距離で区切っていく。
 各区間のゴール地点は、なるべく宿場町で設定しておく。
 (このとき、歩行区間の地形や宿泊地等は考慮に入れない。宿場町をゴー
  ルに仮設定しておくと、微調整しやすい。
  この時点では、とりあえず宿場町間の距離をガイドブック等で調べ、
  自分の歩けそうな距離に合わせてゴール地点を作るのが良い)
 ※ただし、明らかに山越えのところのみ、地形を考慮に入れる。
  東海道の場合は「箱根峠」「鈴鹿峠」のみ考慮。(詳細は後述)
③スケジュールを確認しながら、日帰りor宿泊かを検討する。
 (自分のスケジュールと照らし合わせながら決めていく。連休が取れそう
  な場合は、一気に旅を進めることができる。②で設定した区間スタート
  と区間ゴールをスケジュールに落とし込む。
  例:1/10→日帰り 京都三条大橋~草津宿、1/17~18→1泊2日 草津宿
    ~水口宿(泊)、水口宿~亀山宿… というように)
④各区間のゴール地点から駅へのアクセス方法や街道に近いホテルを探す。
 (区間ゴール地点から駅やホテルは、できるだけ近い方が良い。)
④微調整する。
 (③や④の作業を行った後だと、自身のスケジュールや区間ゴール地点
  の都合で、どうしても調整せざるを得ないところが出た場合、③④を見
  直すこと。)

仕事でもよくある手法で、「ざっくり決める」→「細かいところを決める」というやり方を取るとよいでしょう。細かく決めすぎると、実際歩いてみたときに自分の体がついていかない…ということもあり得るので、ほどほどの細かさで問題ありません。

ただ、ざっくり決めるにせよ、「峠越え」、特に東海道の場合だと二大峠である「箱根峠」と「鈴鹿峠」「金谷峠」だけは少なくともこの峠を越える直前で、一旦ゴールさせ、峠のためのスタートを切る、という方法が良いでしょう。

箱根峠前だと、江戸方からは小田原宿でストップ、京方からだと三島宿でストップ。鈴鹿峠だと、江戸方からは関宿または亀山宿でストップ、京方からだと水口宿でストップ、という風な工夫は必要でしょう。

ただ、歩いているうちに自分の体力と下半身の筋力の具合によって、その時々で微調整はできるようになるはずです。上に書いた内容は、あくまで計画段階で、というものです。
私自身、進捗状況で計画変更したところはいくつかありますし、歩きながら体調や足の状態を考慮して、計画変更か続行かをいつも考えていました。1区間35km前後になる予定の場合は、ゴール予定地点を複数設け、どこでゴールするかはその日の体調や天候次第というようにしていました。

宿を決めよう(宿泊する場合)

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先ほどの区間設定のときに、宿はざっくり決めていると思います。選び方は、街道から大きく逸れないところに立地している宿を選ぶこと。そして、可能なら「大浴場付」のところを選ぶと、疲労の取れ具合が全然違います。ホテルではなく、マンガ喫茶に泊まる場合でも、銭湯に入れるよう探しておくと吉です。

ただ、やむを得ずゴール地点に宿がない場合は、電車で前後一駅移動したことは数回あります。その場合も、ゴール地点の駅は街道から近かったので、それほど大きな問題ではありませんでした。東海道の場合、交通網が発達しているところを歩くので、こういうことができます。

区間ゴール地点から駅までの距離は大丈夫?

案外盲点になりがちなのが、区間ゴール地点から駅までの距離です。ゴールしてそのまま帰宅する場合、ゴールしてから駅までの距離が結構長かったりします。バスに乗れるのならいいのですが、土地勘がないためバス乗り場を見つけられず、結局乗れないこともある、ということも頭に入れておきましょう。

たとえば、私の旅の場合、浜松宿や藤枝宿は区間ゴール地点に設定していましたが、街道から離れたところに駅があったので、少しの距離ですが歩きました。長距離を歩く場合、たかが片道500メートルでも削りたい気持ちになるものです。どうしても駅から離れたところをスタート&ゴール地点として設定する場合は、歩きながらペース配分や休憩地点を考えていくことになります。帰りの新幹線や特急を早割等で予約している場合は、間に合わなさそうな場合はタクシー等の利用も考え、あらかじめ準備しておく必要があります。

休憩


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