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#3 オフィス内のお菓子事情

オフィスグリコ争奪戦

うちの職場には「オフィスグリコ」がある。他社でも置いてある職場もあると思うが、簡単に説明すると、オフィスにお菓子などが棚で置いてあり、備え付けのお金を入れる箱にチャリンと100円を入れることで、わざわざコンビニに買いに行かなくてもオフィスでお菓子を食べられる、という素敵なシステムだ。最近はキャッシュレスの流れに沿い、小銭がなくても買うことができるようになった。(お菓子はグリコ以外のものも入っている)

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このオフィスグリコ、とても好評である。オフィスグリコの方が来られると、皆の視線はそちらに集まる。普段、やや不愛想な人も、グリコさんに対してだけはとてもにこやかになる。そんな笑顔も届けてくださるグリコさんの作業が終わると、近くにい置いてある電気ポットにお茶を入れるフリをして、商品のラインナップを確認しに行くのだ。そして、めぼしい商品があれば、即購入。高確率で柿の種や、ビールのアテになりそうなお菓子が売っているので、買ってもそのまま家に持ち帰って一杯飲みながらボリボリ食べている人もいるとか、いないとか。

こういうことがいつも起きているので、あっという間に売れてしまう。争奪戦が繰り広げられているわけだが、時に場外戦も行われる。

そう、「違う階の社員が略奪してくる(注 ちゃんと買ってます)のだ。こうなってくると、ライバルはもはや同じフロアの社員だけではない。そこで、対策を講じることになった。

オフィスグリコを防衛せよ!

うちの課長はノリのいい人なので、下々の者でオフィスグリコ防衛策を練っていると、自ら防衛隊長になることを買ってでてくださった。こうして、「オフィスグリコ防衛対策会議」が開催された。

会議

防衛策として出た案は、次のとおり。

1 「フロア外の社員立入禁止」の貼紙をする。
2 補充された後、すみやかに同じフロアの社員を集めて、買い占めておく。
3 グリコさんに多めに補充するようお願いする。
4 むしろ、わが軍も他のフロアに攻め込む。(買い出しに行く)

この案は、対策会議が始まって、ものの1分ほどで集まったが、結局「3 多めに補充するようお願いする」で決着がついた。当初は「4 他フロアに攻め込む」が優勢だったが、課長の鶴の一声で変わったものである。

「他課に恨まれたら、仕事やりにくいよ」

そりゃそうだ。誰もが納得した。

たかがお菓子、されどお菓子。
食べ物の恨みは、末代までの恨みになってしまう。

それから、グリコさんには多めに補充をお願いし、分かりにくいところにストックを確保し、減ったら社員がそこから補充するというシステムになった。

こうして、オフィスグリコは穏やかに平和的解決が図られ、今のところは無事に多くの社員を笑顔にしている。他課にストックが豊富であることをバレないようにすること、これが今後の課題であるが…。

お菓子守る


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