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MIC×(株)すむたす_2/3:投資までの経緯とすむたすの組織運営とは?


◎はじめに

モバイル・インターネットキャピタル株式会社(以下MIC)は、1999年の創業時からデジタルテック領域において、リード投資を基本とし、シリーズAを中心とするオールステージにてスタートアップへ投資支援活動を行う独立系のベンチャーキャピタルです。投資先のスタートアップへの支援の一環として、事業会社との事業連携等オープンイノベーションにも注力中です。
このシリーズでは、投資先の起業家をゲストに迎えた公式Podcastを元に記事化してお届けします。

今回お迎えするゲストは、不動産を直接仕入れて直接販売するiBuyerという領域で急成長を遂げているスタートアップ「株式会社すむたす」の代表取締役・角高広さんです。iBuyer事業の最前線で奮闘する角氏が語る、不動産スタートアップの成長戦略と組織づくりの極意とは?3本立てシリーズの2本目となる本記事では、MICとの出会いから投資に至るまでの経緯、投資判断の決め手、さらに組織運営の考え方について、担当キャピタリストと共に迫ります。


MICとの出会いと投資までの経緯

ーMIC有賀:
早速ですが、弊社MICとすむたすさんとの出会いの経緯について、角さんと担当キャピタリストの稲垣さんからお話しいただければと思います。

すむたす 角さん:
一番最初の頃、MICさんにご相談に行って、シード期やプレA・Aラウンドでも、ラウンドの度に何度もお会いしていたんです。
お会いして次に繋がらないということは、僕らからしたら選んでもらえなかったということなんですが、僕は稲垣さんをはじめMICさんのことはポジティブな印象をずっと持っていました。なので、投資してほしいなと思って、次こそは、次こそはと言って、確か3年またぎぐらいで最初のコミュニケーションから、やっとご一緒にさせていただけたという経緯があります。MICさんほど長い期間、接点があって実際に投資いただくまでのスパンが長かったところは他にないですね。

MIC 稲垣:
悪く言うと…(弊社が)優柔不断、逆に言うと、機が熟したんですかね(笑)

すむたす 角さん:
いえいえ(笑) ちゃんとこういうトラクションを作ればとか、この辺まで来たら投資するけど、まだそこまでは至ってないと誠実にコメントいただいていました。ベンチャーキャピタルごとのスイートスポットがあるので、MICのスイートスポットはここで、すむたすはこのラウンドでこれぐらい満たしたらあり得るという話の中で、断り方も誠実だったので僕らも何回も話しに行きました。
スタートアップ側は、投資しませんという連絡があるか、お断りの方が圧倒的に多くて落ち込むんですよね。ビジネスを否定された気持ちがして。10あれば7とかお断りなわけですよ。10あって10投資を受けられているスーパースターなスタートアップもあると思うんですけど、僕らみたいなスタートアップはお断りの方が多い。その中でも(都度)ちゃんと会話をし、次はこう話をして(重ねて)いくことの大事さを感じました。なのでお断りを受けてもその相手の方を信頼できたり、一緒にしたいという時はやはり何度も何度もご連絡差し上げるような気持ちで行くといいんじゃないかなって思いますね。

MIC 稲垣:
我々としてのスイートスポットは、プレAからシリーズAぐらいのラウンドを中心にオールステージで投資させていただいています。角さんには何度もご相談いただいて大変ありがたかったです。私が2020年からMICにジョインして、角さんがご相談いただいたタイミングで担当として投資検討させていただき、何とか出資に至ったということで、私としてもすごく感慨深かったですね。

投資の決め手とは? - PDCAとリスクへの前さばき

ーMIC有賀:
稲垣さんから「機が熟した」というお話がありましたけれども、投資に至った決め手はどのような点でしたか?

MIC 稲垣:
大きく2点あって、1つはPDCAを相当考えて回してらっしゃるなというのをひしひしと感じたんですよね。iBuyerは日本ではまだまだ市場が立ち上がったばかりで、本当にこの市場があるのか判断しにくい環境の中でした。そこで角さんたち経営陣の方が、こういう時はこうするとか、事業の進捗に関してもこう試して、こんな結果になったから次はこう、というのをすごく丁寧にご説明いただいたので、信頼感もありましたし安心感もあったんですよね。PDCAを着実に回して、それを真摯にご説明いただいたというのは、すごく嬉しかったです。

もう一つ、リスクについても前さばきで考えてらっしゃると感じます。不動産業界って、バブルが崩壊したらどうするとか、地震があったらどうするとか、いろいろ不確定要素のリスクがある特殊なビジネスなので、それについても様々な方面から言われてきた経緯もあると思うんです。ただ、「こういう時はこうしようと考えている」というのを定例的に真摯にご説明いただいたので、ここまで考えてらっしゃる方だったら大丈夫だろうなという信頼感につながったのが投資の決め手ですね。

組織拡大に向けて変えないもの、変えるもの

ーMIC有賀:
お二人の様子を見ていても信頼関係を構築されているんだろうな、と客観的に見て取れるのですが、普段聞けないことや聞いてみたいということは何かありますか?

MIC 稲垣:組織運営について角さんにお聞きしたいです。角さんは社員をすごく大切にしているのが日々のコミュニケーションからひしひしと感じるんですよね。例えば、われわれ投資家に対する事業進捗の報告内容を社員の方にオープンにしていたり、採用も組織図のポジション充足ではなく、すむたすに合う人を探して、その人に合ったポジションを考えるというスタイル。すごく素敵だなと感じています。
その上で、事業の更なる成長に向けて、組織運営において今までと変えないで大切にしていく部分と、変える必要がある部分はどういったところでしょうか?

すむたす 角さん:
ありがとうございます。回答の前に、投資家のベンチャーキャピタルの皆さんに月一回報告会をしているんですが、途中までは必須で全社員が参加してました。通常は経営幹部とベンチャーキャピタルの担当者という構成になるんですが、うちは全オープンにしていました。
例えば、ベンチャーキャピタル側の方が10社それぞれ2人来ても20人じゃないですか。それに対して僕ら30人とか40人で参加していて、我々側の方が参加者が多いみたいな(笑) もちろん我々側で話すのは数人なんですが、顔がいっぱい並ぶミーティングなので、多分最初は稲垣さんも入った時に「えっ、全員いるの?!」みたいな感じでちょっと面食らいましたよね。人数が多いぞと(笑)

MIC 稲垣:
そうですね(笑)

すむたす 角さん:
改めて質問に答えますと、今は社内が全体で50名ほどで、当初の人数と比べると(組織運営が)ずいぶん難しくなってきたのは事実です。
ただ基本的には、今あるものをいかにより濃くしていくかの方を重要視しています。我々のカルチャーとしては、お客様ファーストで、そしてチームのお互いをリスペクトし、思いやりを持ち、そしてチーム全体でパフォーマンスを上げていく。例えば象徴的なところで言うと、不動産の営業それぞれにノルマや目標となる数字を持ってもらうということは一切してないんですね、創業以来今日まで一度も。
それでいうと、全てのポジションの方が会社から目標数字というのを与えられてはいないんです。全員が、有機的に会社が達成すべきミッションや大きな数字を全員で達成するという発想を持っています

ただやっぱり人が増えてきたり、上場に向けての準備が進んでくると、いわゆるピラミッド型の階層を作った方がいいんじゃないのとか、こういう時は誰か権限を持った人を決めた方がいいんじゃないの?という議論は、やはり大きくなるにつれてその都度やっぱ出るんですよね。
今人数が全体で50名ほどなんですが、当初のほんの数人(でスタートしたころ)と比べるとずいぶん実現するのは難しくなってきました。よりこれから難しくなってくるので、その難しいことにチャレンジし続けるというような気持ちでいますかね。

基本的には変えない、変わらないんですが、その上で変えることが1つありまして、実は組織施策はほとんどしてないんですね。
社内における我々がいつもこだわっているのは、実はエントリーの部分です。お互いの価値観が合う方と一緒に働いている限りは、組織施策がなくても自然発生的に施策が生まれていったり、自然発生的にお互いがコミュニケーションをとって足りないところを作っていけるという風には思っています。

また、現状これまでそれですごく良いカルチャー、良い組織、皆さんの本当に素晴らしい人たちが集まってきたんですが、これからもう少し会社としてもしっかり、よりそれが加速するような仕組み作りというのをやっていこうかなと思っています。
逆に言うと、他の会社で言うと当然やってることをやっていなくて。ある程度、そこも自然発生的に皆さんが作っていけると信頼してます。今も信頼しているんですが、組織が大きくなってきたので、もう少ししっかりいい組織を保つための仕組みというのも、作っていこうかなという感じです

MIC 稲垣:
なるほど。すごい素敵だと思いましたし、PDCAを回すのが上手な御社だったら絶対できると思うので、トライいただきたいです。

すむたす 角さん:
色々トライしてでも「なんか違うな」と思ったらちゃんと反省して戻って、それを繰り返して。僕ら決してスマートな会社ではない、3歩進んで2歩戻るのような会社なんですが、とはいえ確実にいつも前進している。それが僕らの強みであり今日があると思うので、組織においても変わらずそれをずっと継続していけたらなと思います。

すむたす編_3/3へ続く


◎Podcast最新話はこちら🎧✨

MICでは投資先企業を紹介する公式Podcast番組「起業家のキモチ~シーズン4~」を毎週火曜日に更新中。すむたす角さんにご出演いただいた音源もSpotify、Apple Podcastなど各種プラットフォームからご視聴いただけます。こちらもぜひ、お聞きください♪


◎モバイルインターネットキャピタル株式会社概要

モバイル・インターネットキャピタル株式会社(以下MIC)は、1999年の創業時からデジタルテック領域において、リード投資を基本とし、シリーズAを中心とするオールステージにてスタートアップへ投資支援活動を行う独立系のベンチャーキャピタルです。投資先のスタートアップへの支援の一環として、事業会社との事業連携等オープンイノベーションにも注力中。





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